2023年3月10日金曜日

世界飛び地大全(2006)

吉田一郎「世界飛び地大全」(2006)の2014年角川ソフィア文庫版で読む。オビには「学校で教えてくれない驚きの世界史」とある。なぜ飛び地があるのか?世界地理トリビアをまとめた本だが内容はまじめ。

アラスカやカリーニングラードといった超有名飛び地、西ベルリンや東パキスタンといった「かつて存在した飛び地」、ジブラルタルやセウタのような植民地飛び地、鉄道や港湾といったインフラ飛び地、ホテルや病院の一室、電波塔、石碑といったネタのようなユニークな知られざる治外法権飛び地まで紹介する雑学本。
オランダ・ベルギー国境にある入り組んだ細かい有名飛び地バールレ・ナッソー(バールレ・ヘルトホ)。
この本は厳密に当時の地図を掲載してるのだが、これだと国境線をハッキリ見ることができない。グーグルで見ると異常さがよくわかる。

自分、クロアチアのドゥブロヴニクに行きたいと思って以前調べた。ザグレブから高速バスが出てたかと思ったのだが、ドゥブロヴニクってクロアチアの飛び地だったの?
ボスニア・ヘルツェゴビナっててっきり内陸国かと思ってたら、ネウムという21kmだけ海岸線があった。今までまったくそのイメージなかった。

アンゴラ飛び地旧カビンダ(ポルトガル領コンゴ)、ナミビアの中の旧イギリス領で南アフリカ飛び地だったウォルビスベイ、オマーン領UAE領飛び地マダ&ナワ、とかは日本人にはまったく馴染みがなくて当然。
だが、スイス領内のドイツ飛び地ビューシンゲン、スイス領内のイタリア飛び地カンピョーネ・ディターリアも今までまったく知らなかった。

アメリカとカナダ国境にはポイント・ロバーツという岬飛び地があることは知っていたけど、ウッズ湖西岸、シャンプレーン湖プロビンス岬のような何もないアメリカ飛び地があることは今までまったく気づいてなかった。すぐグーグル航空写真で確認した。アメリカ、カナダ国境って道路がいっぱいあるけど、それほど簡単には行き来できないことに気づいた。道路にストビューがない。

カナダ・ニューファンドランド島のすぐそばにフランス領ミクロン島&サンピエール島があることもまったく気づいてなかった。フランスはこの海域に12カイリ領海と24カイリ接続水域、幅20km長さ375kmの回廊経済水域を確保してた。

チェコが租借してるドイツ領内の港モルダウハーフェン、メキシコ領内にあった旧アメリカ領リオ・リコとかも知られざる話すぎた。こういうエピソードを発掘してくる著者はすごい。
あと、ブータンは過去に意外に飛び地を持ってたんだなと知った。

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