マイ・ブロークン・マリコ(2022)を見る。平庫ワカの連載漫画を原作とし、監督はタナダユキ。脚本は向井康介とタナダユキ。主演は永野芽郁。配給はハピネットファントム・スタジオとKADOKAWA。
街の中華食堂でラーメンをすすってるスーツ姿のシイノトモヨ(永野芽郁)はテレビのニュースで中学時代からの親友イカガワマリコ(奈緒)のアパート5階からの転落死を知る。
そして回想。JKの二人は将来一緒に住む夢を語ったりもした仲。
トモヨはたぶん営業職。職場の雰囲気がかなり悪い。たぶんパワハラのブラック企業。上司が人間として口の利き方がおかしい。てか人間以前。トモヨはやさぐれ悪態突きながら煙草。
少女時代のDVという現実も酷いが、社会人になった現在も暗い現実。
子どもは親が自分を殴るのは自分が悪いと考える。母が出て行ったのも自分のせいだと考える。それはすべてDV父のせい。
福祉行政の敗北。こんな国に生れる可哀想な子どもが少なくなったことは幸い。
必死の営業トークの声色が苦手。しかも泣き落としも入れる。人間こんなものまで強要され拒めなくなったら終わり。
飛び込み営業でなんとかドアを開けてもらえた人が吉田羊。ヒロインはこの人を知っている?え、マリコの両親の家に飛び込み営業で侵入。吉田羊はマリコのDV父の再婚相手だった人か。そしてそこにマリコの遺骨と遺影。
トモヨはマリコの飲んだくれDV父(尾美としのり)に包丁突きつけてマリコ遺骨を強奪。ベランダから土手に飛び降りて川に転落。そのまま河を歩いて渡る。まるで北朝鮮かベトナムの難民。そのまま自宅へ逃げ帰る。そのへん、そうはならんやろって思った。
少女時代からずっと不幸だった親友をやっと自分の側に連れて帰ることができてほっとしたトモヨ。中学時代からのマリコからの手紙を読む。トモヨも家庭に問題があって中学生のころから煙草。
児童が顔に痣つくってたり、タバコ臭かったりするのに気づかない教師たちも人間失格。
マリコは遺書も残さなかった。トモヨはマリコの遺骨を抱いて行くあてもない。おいおいと泣いていると、以前「行ってみたいね」と言ってた「まりがおか岬」のことを思い出す。
親友の遺骨を抱いて、中学時代高校時代を回想しながらの深夜長距離バスの旅。そんなの想像しただけで哀しく寂しい。
なにもないバス停で降りたとたんにひったくりバイクに何もかも持っていかれる。財布もスマホもマリコの手紙も。
その場にたまたま通りかかった親切な釣り人窪田正孝からお金をもらう。
なのにその金で食堂で飲んだくれ。目の前でリストカットするめんどくさいメンヘラマリコの幻影。
酔っぱらって他の客に絡んで釣ボートの中で野宿。
トモヨが日本人にしては感情の起伏が激しい。泣き叫び方が異常。
フルフェイスヘルメットのひったくり犯(婦女暴行魔)を遺骨の箱で殴ったところで相手を倒せないと思う。
「まりがおか岬」がなんら有名観光地に見えなかった。
「大丈夫ですか?」「大丈夫に見える?あたし」ラブ要素なしかよ!という駅でのアッサリした別れ。
自分、今まで永野芽衣をアイドル女優だと思ってた。初めて永野を女優として認識した。色気も感じた。この映画はほぼ永野ひとりでもっていた。
主題歌はThe ピーズ「生きのばし」。Theピーズを何年も忘れていた。
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