2023年1月12日木曜日

松岡圭祐「万能鑑定士Qの事件簿 Ⅳ」(2010)

松岡圭祐「万能鑑定士Qの事件簿 Ⅳ」(2010)を角川文庫(平成24年13刷)で読む。これも友人の本棚にあったもの。1巻から順番に、たまに取り出して読んでいる。

都内で連続で発生している映画グッズ&ポスターの貴重なコレクションを狙った放火事件。

万能鑑定士凜田莉子と角川書店の記者小笠原、そして臨床心理士の嵯峨敏也の3人が事件を調べて行く。
どうやら犯人の目的は1974年公開の日本映画「ノストラダムスの大予言」のポスターを1枚1枚焼却抹消していくことにある?!

小笠原記者の活躍により、新宿ゴールデン街の飲み屋(元映画関係者が経営)から「ノストラダムス」ポスターが盗み出される現場で犯人と遭遇。逃走する犯人を追いかけるも、やはりポスターは路上で灰になる。しかし、タクシー車載カメラによって犯人の姿が抑えられた。

なぜか一部警察関係者しか知らない情報が外部に筒抜け。これは情報を公開して全国のコレクターが保持してる「ノストラダムス」ポスターを警察に郵送させ厳重に管理しなくては。
だが、それでもやはり意外な保管場所へ犯人がやってくる?!

これ、読んでる最中はとても面白かった。ページをめくる推進力があった。映画を抹殺しようとする闇の勢力が?!それにはどんな真相が隠されている?
だが、「ノストラダムスの大予言」が燃やされる理由とその真相は……、やや失望だったw
今作はホームズ譚「踊る人形」と「6つのナポレオン」を合わせたような一冊。

しかし、このシリーズは凛田莉子が話の節々で繰り出してくる「へえ」トリビアにある。莉子は日本映画トリビアにも詳しいのか!?
犯人が共犯者と暗号(換字式暗号?)でやりとりしてるのだが3枚のメモ書きだけでは解読不能。そこで莉子が仕掛ける罠に感心。
あと、莉子の前では上手くその職業を演じたとしても必ず違和感から見抜かれる。そこも感心。

あと、記者クラブ制度があるのは日本の他にはガボンとジンバブエにしかないだと?!もしそれが本当なら日本の大手メディアは何してる?ジャーナリストの矜持があるなら即刻退会するべき。

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