映画「ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜」(2021)を見る。監督は飯塚健。脚本は杉原憲明と鈴木謙一。制作はTBS、ダブ。配給は東宝。
長野五輪スキージャンプ・ラージヒル団体は1回目を終えた段階で悪天候吹雪で中断。もし2回目のジャンプができないと日本は悲願の団体メダルを逃してしまう…という窮地を救ったテストジャンパーたちの物語。主演はまたまた田中圭。
これもコロナパンデミック中に公開された映画。公開予定が1年押してしまった映画。日向坂46の小坂菜緒が出演してるので見る。
実は自分は1998年の長野オリンピックを見に長野に行ってる。信じられないかもしれないが本当だ。もう今の若者は長野オリンピックを知らない。
日本がメダルを期待できる競技はスケート、スキージャンプ、ノルディック複合しかない時代。
とくにスキージャンプ団体での金メダルは列島大歓喜の偉業。その裏にあったドラマは当時から知られていてドキュメンタリーとして放送されていたのを覚えている。
葛西、船木、岡部、斉藤の日の丸飛行隊の大ジャンプは胸アツ。だが、競技成立の立役者であるテストジャンパーたちの記憶はもう薄れかかってる。これは映画として描くべき人間ドラマかもしれない。日本の金メダルはチーム日本の金メダル。
映画がいきなりアナウンサー茂木淳一による臨場感のない説明ナレーションで始まるのがちょっと萎える。
長野の4年前のリレハンメルで原田(濱津隆之)の失敗のせいで団体金メダルを逃した場面から始まる。(自分、そもそもオリンピックに団体って必要?と思う)
西方(田中圭)が失敗した原田に対して冷たい。顔が怖い。金メダルでないというだけでどうして責められないといけないのか。質問する記者たちも無神経。銀で十分すごいだろ。はやく国民の意識を改革しないと。
西方「次はぜったい金メダルを取ろう」
西方の身重の妻幸枝が土屋太鳳。田中圭と土屋太鳳って「哀愁しんでれら」のふたりじゃん。
地元歓迎会に顔を出しずらい西方は「もう少しで金メダルだったのに」おいおいと泣く。いや、だったら個人で金メダルを取れ。
そして長野五輪に向けてトレーニング。船木和喜(狩野健斗)という19歳の期待の新星も現れて焦る。スキージャンプのW杯で優勝したぐらいでスポーツ紙一面なの?!
代表争いが熾烈。誰が選ばれるのか?記者たちが立ち話で状況説明。そのへんの描き方がベタ。
西方は腰痛により空中で体勢を崩して転倒大怪我。必死のリハビリ。
そして代表アピールに重要な大会で葛西を抑えて優勝。なのになのに、長野オリンピックジャンプ競技代表から外れるという、もうなんともいいようがないトホホな不運な役回り。
代表発表がテレビ生中継?!それほど注目されていたのか。
代表コーチ古田新太が西方に長野五輪でテストジャンパーの話を持って来る。引退後のために協会に恩を売っておく?そんな聴きたくない話。
地元開催のオリンピックに出られない。酔っ払いたちに傷口に塩を塗られる。西方が落ちて原田が選ばれたことには誰もが納得いかない様子。
西方はテストジャンパーをナメている。「テキトーにやればいいさ」
難聴の選手もいる。テストジャンパーってこんなに人数いるの?本番に向けて合宿もするの?
若手選手の中にひとりメダリスト選手西方。西方はみんなの憧れ。
若手有力選手だけど脚の怪我で選ばれなかった眞栄田郷敦がわりと無神経で嫌なやつ。
テストジャンパーがいる場所で代表選手たちのインタビュー風景とか、それはイライラする。
開始40分ごろになって小樽からの女子選手小林賀子(小坂菜緒)が登場。小坂さんが最初のカットから美少女。
女子選手は珍しい。この子はテストジャンプ練習中に転倒。休めといわれても頑なに頑張る。いかにも気の強い体育会系。いつも怒ってる熱血娘。すごくスキーウェアとヘルメットとゴーグルが似合う。
テストジャンパーたちは自分たちのジャンプに意味を見出せずイライラ。こんなにもギスギスしてたの?
けど小坂菜緒だけはテストジャンプに選手生命をかけてる。親の許しがないのにテストジャンプに参加してる。
小坂さんの役はわりと重要。かなり目立ってた。この子が西方にやる気を起こさせる。
こんなドラマみたいな修羅場だらけだったの?4人のメンバーから外された葛西はあんなに荒れてたの?
最大のクライマックスの1回目と2回目のジャンプの間が逆巻くほどの吹雪。この悪天候で飛べるわけない。ふみきりの場所がホワイトアウトで見えない。で、またまた原田は1回目に失敗ジャンプ。記録が伸びない。その状況で競技中断。このまま中止?!
日本ジャンプの運命は25人のテストジャンパーの試技にかかってる?!ジュリーに競技継続が可能であることを納得させないといけない。
こういうの、美談にしちゃいけない。テストジャンパーが危険。強引に2回目を実施したせいでメダルを逃した国からすると腹が立つだろうと思う。
競技シーンの描き方と演出がどうなんだ?日本選手ですらほとんどジャンプのシーンがない。日本以外の国の選手のジャンプシーンがまったくない。
でもこの映画が描いたのはそこじゃない。テストジャンパーたちが手繰り寄せた奇跡に焦点。わかりやすく感動作に整えた映画。舞台裏の英雄たちを讃えたい。
当時の観衆はテストジャンパーたちが何と戦ってるのか?まったく見えていなかった。状況が何も知らされず吹雪の中でテストジャンプが延々と続いてる。ガヤたちのヤジが酷い。(当時はSNSがなくてよかった)
小坂さんの美少女ぶりがすごい。だがこの映画撮影は大きなプレッシャーだったらしい。この映画プロモーション活動後に長い休養に入ってしまった。
主題歌はMISIA「想いはらはらと」
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