これが2018年単行本と同じ表紙イラストだったらたぶん買ってなかった。装丁が違うとそれはもう別の本。これはオタは2冊とも買ったに違いない。いや、買うべき。
しかも、たえ氏による巻頭カラーイラスト口絵18ページつき。
そして高山一実による文庫あとがき、そして吉田大助氏による巻末解説。
久し振りに読み返したら、なんとなく展開だけしか覚えていなかった。新鮮だった。
高山一実の創作したストーリーも面白いのだが、序盤の予想できないヒロイン東ゆう(城州東高校1年)の行動と心の声つっこみが意外で面白い。ほぼ完全犯罪をもくろむサイコパス青年のそれ。
とくに、聖南テネリタス女学院の華鳥蘭子とのファーストコンタクトが面白い。いきなりテニスの試合になるのが面白い。その後の相手の態度の変化も面白い。
西テクノ工業高専ロボット研の大河くるみとのファーストコンタクトも面白い。仕組まれた出会い。まるで詐欺師がするような準備。
その前にシンジという男子学生との出会いのシーンも面白い。
進学校城州北高の亀井美嘉との再会シーンとその真相も意外で良い。
「私、可愛い子を見るたびに思うのよ、アイドルになればいいのにって。でもきっときっかけがないんだと思う。だから私がつくってあげるの。」
たぶん作者高山がずっと考えていた妄想を小説という形で発表したのがこの作品。
AKB以後の秋元アイドルはアイドルの敷居をぐんと低くした。それは良いことだけでなく弊害も大きかったかもしれない。高山のいた乃木坂はまずまずの成功グループではあったのだが、ブレイクするまで多くのメンバーが脱落していったことも見逃せない。
ボランティア活動をアイドル活動後のための踏み台としか考えていないヒロインの策士ぶりと、利用された老人たちの哀しみは今回読んでちょっと嫌悪感がした。
しかし、道徳的に完璧すぎるヒロインは誰も求めてないしリアリティを感じない。やはりエピソードの選択もセンスがいい。
これはもう青春映画の原作として最適。ユニークなコメディ作品だしビターな青春も盛ってる。
映画化の話はまだか?高山がプロデューサーとして動いてほしい。
あとがきを読むと、高山の性格の良さがわかる。
今回読んでみて、「ぼくのかんがえたさいきょうのキャスト」。4期生、5期生にしぼった。
表紙イラストではヒロインは西野七瀬っぽいのだが、西野はもう来年で29歳。もう三期生ですら年代が合わなくなってる)
東ゆう→賀喜遥香(アイドル好きでヒロインの資質がある。目に狂気のようなものを感じる林瑠奈もいいかもしれない。)
華島蘭子→池田瑛紗(お嬢様コトバが似合いそう。天然イメージもある。)
大河くるみ→筒井あやめ(この役が一番難しいかもしれない。萌え袖が似合うかがポイント。与田さんはあまり頭良さそうに感じない。高専つながりで佐藤璃果も適任かもしれないが。)
亀井美嘉→金川紗耶(黒髪ロングで陰のある少女。ヒロインの幼なじみだがあか抜けて別人。男の子とデート写真がまっさきに流出という点で適任。)
工藤真司→矢久保美緒(ヒロインが高専でファーストコンタクトした「童貞感がする角膜レベルの変態カメラマン」男子生徒。)
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