大阪伊丹市の幼なじみ37歳の3人。1人は地元に残った淳。たぶんこいつが主人公。
そして京大に進んで東京に出たものの、転職とブラック企業を渡り歩いて自殺未遂を起こして故郷に戻って来ていた宗作。心を病んでいる。宗作の心をいやすために瀬戸内海の小島への旅行を企画したのが春夫。
春夫が行く計画を立てた島が霧久井島。何もない島。高い山と低い山が2つ。
この島で20年前に心霊オカルトTV番組取材班がやって来た。90年代当時は宜保愛子と並んで人気のあった霊能力者宇津木幽子がその島で霊視のようなことをしていたら体調が悪くなって死亡。最後の予言が「20年後のその日に島で6人死ぬ」?!つまり心霊スポット巡り的な?
春夫らがフェリーで島に向かう。ヘンテコ女が「行かない方がいい」と言ってくるなど微妙に嫌な事があったりする。島に着くと予約していた民宿が3人を泊めることを拒否。だがよそ者が開業したペンションに空きがあったので泊めてもらう。そこには3組の泊り客。
深夜に突然春夫がいなくなる。翌朝、淳と宗作は港に浮かんでいる春夫発見。
集落で叫んでドアを叩いて助けを求めるも、島民の誰も出てこないし助けてもくれない。
さらに島の巡査も撲殺されているのを発見。そして宗作も墓地で昏倒状態で発見。
なんだこれは?ヒキタの怨霊?台風接近中で警察も島に来れない。
20年前に祖母宇津木幽子と一緒に島に来ていた孫の沙千花は偽名を使い、とある目的で、淳と同じフェリーでやってきて同じペンションに泊まっていた。淳と沙千花は協力して島の老人たちと対決。TRICKか!
島民が恐れる山の怨霊の正体とは!?実は自分はなんとなく「それ」を想像できてた。
わりと雰囲気は好きだった。ラストのアレの切迫感も良かった。
だが、6人目の犠牲者のあたりから、記述がよくイメージできなくなっていった。ラストのあたりの状況の視点と描き方で脳内のイメージがブレてしまって混乱。これは某有名古典サスペンスホラー映画と同じパターンか?それとも、それに物理的実体がある?
まあ、最初から読み返そうかと思ったけど、パラパラと何か所か違和感のあった箇所を確認するだけにとどめた。それでもそうなるか納得していない。
結果、まったくピンとこない。この強引なオチさえなければむしろ好きだった。そこ普通に二重人格でよかった。筒井康隆「ロートレック荘事件」を読んでる人は既視感。
あと、横溝正史ブーム、超能力や心霊写真ブーム、ノストラダムスの大予言、国鉄の「ディスカバージャパン」キャンペーンがあったのがすべて1970年代だったことは社会の教科書に書くべき。人々はもっと意識するべき。
0 件のコメント:
コメントを投稿