2022年11月8日火曜日

小松菜奈「恋する寄生虫」(2021)

「恋する寄生虫」(2021 松竹)を見る。
三秋縋「恋する寄生虫」(メディアワークス文庫)を原作でなく原案とする映画。監督は柿本ケンサク。脚本は山室有紀子。主演は林遣都と小松菜奈。配給はKADOKAWA。
なんだかビジュアルが暗い。寄生虫というキモワードと対比するためにポップな感じがほしい。けど見てみたら内容はポップじゃなかった。

主人公高坂賢吾(林遣都)は部屋でひとり世界が終わる妄想をしてたりする。スマホに感染してこの世界のカップルの関係を壊すウィルスを開発してる。
幼少時に両親が自殺。以来ずっと孤独。極度の潔癖症。周囲がすべて汚く見える。人と関わることが苦手どころか接するだけでパニックになる青年。それはまるで泉鏡花。
なにもウィルス感染して周囲も菌だらけという幻影をCGで見せることないがな。
そんな生きずらい主人公がバス停でゲロ吐いてるのを嫌悪の表情で通りかかるのがヒロイン佐薙ひじり(小松菜奈)。ヘッドフォン女子高生。なぜか公園の芝の上で寝転がって寄生虫の本を読んでる。視線恐怖症という不登校女子高校生。
またまた独白開始。その幻影内容をいちいち映像で見せてくる。
このJKの父(石橋凌)が医者。父じゃなくて祖父?!

高坂の部屋に和泉(井浦新)という謎の男が突如現れる。高坂を脅迫し取引。公園に呼び出されるとそこに佐薙。この子と友だちにならないといけない。目的はなんだ?アンタと女子高生が友だちになるにはお金が必要だと要求してくる。
しかしこのJKが強引に潔癖症男の部屋に上がり込みいろんなものをさわる。それは男がパニック。JK佐薙は不機嫌になって出て行く。すぐにシャワーして着替えて部屋を掃除。

和泉の目的はなんだ?高坂に振り込んだ金25万円が佐薙に渡る。
それにしても小松菜奈に白ヘッドフォン制服ブレザー気が強いJKを演じさせるとか、映画業界の人は自分が見たいモノを作ってる。小松菜奈は人妻だぞ。

JKカバンとヘッドフォンをひったくる犯人なんなの。佐薙はパニックを起こし高坂に助けを求める。「私、他人と目を合わせられないの。視線が怖いの。」

高坂は佐薙の秘密を和泉に報告。引続き何事もないかのように高坂と佐薙はリハビリのために一緒にデートのようなことを続ける。ロケ地がすでに閉鎖取り壊しが始まってるお台場ビーナスフォート。

え、高坂は佐薙の主治医か何かだったの?佐薙の脳には自殺に至る寄生虫が成長してる?寄生虫が宿主の心を支配していく?だからたまに鼻血を出すのか。
和泉は瓜実(石橋凌)と一緒にふたりを経過観察?そういえば主人公ふたりの両親も自殺。

和泉が高坂と佐薙を出会わせた目的とは…一体?!
これってサスペンス医療SFラブファンタジーだったのか。寄生虫が媒介しとりなす恋愛?!なんか期待してたより内容が深い。
色合いとか音楽の雰囲気とか90年代の日本映画のように感じた。

この映画を見ていて女優小松菜奈の特異な存在感を改めて感じた。この子が人妻とか惜しいし悔しい。可愛さがえぐい。もっと人気が出て日本映画界で大きな存在になるはずだった。

寄生虫の生存戦略のために偽の恋愛感情を植え付けられた宿主男女という説明しずらいテーマ。だからなのかそれほど話題になってない。もっと見られていい佳作。

主題歌はAwich「Parasite in Love」(ユニバーサル ミュージック)
そういえば目黒の寄生虫館には20年ぐらい昔に一度行ったきり。そろそろまた行きたいと思ってる。

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