2022年11月6日日曜日

青くて痛くて脆い(2020)

映画「青くて痛くて脆い」(2020 東宝)を見る。これもコロナの夏に公開されたもの。
主演は吉沢亮と杉咲花。原作は住野よる。監督は狩山俊輔。脚本は杉原憲明。制作はツインズジャパン。

主人公田端楓(吉沢亮)は大学1年生「人に不用意に近づかない事」、「誰かの意見に反する意見をできるだけ口にしない事」の2つを信条にしている。他人に壁をつくってる。テンション低い。

秋好寿乃(杉咲花)という女子学生を見て主人公は軽蔑する。なんだこの70年安保みたいな理想論学生は?!あんな大講義室で暑苦しい質問する勇気がすごい。この子が昼食中に積極的に話しかけてくる。バカみたいに笑う。フフフ。これはどう見ても統一教会か何かの勧誘に見える。こんなやつとは関わり合いたくない。で、田端は逃げようとするのだが秋好はつきまとう。田端も周囲からヒソヒソ話。

問題意識高い女子秋好はどのサークルに入るか迷う。で、モアイという「なりたい自分になる」秘密結社サークルを設立。世界平和!戦争撲滅!世界を変える!
やだやだ怖い。なぜこの女子はまったく自分に疑問も持たずにポジティブなんだ?チラシを配りまくる。周囲は引く。嘲笑う。

3年後、主人公はすでに内定を得た4年生。巨大就活サークル「モアイ」を友人董介(岡山天音)は飲み屋でこき下ろす。「クソサークルがっ!」じゃあ、モアイをぶっ壊そう!あれは自分が作ったサークルだけど、本来の姿に作り直す!
内定とった学生はこんなにも暇なのか。

潜入して情報得てSNSで炎上させてぶっ潰そう。川原理沙(茅島みずき)というモアイに興味を持ってる女子生徒に接近する。
董介のゼミの後輩ぽんちゃん(松本穂香)もそろそろ就活が気になるということで一緒に交流会に参加。

序盤早々にこの子が死んでしまってもういないことが吉沢ナレーションで明かされる。秋好という暑苦しい女子学生がいたことの回想が始まる。

かつての素朴だったモアイの活動回想シーン。不登校の子供たちの居場所施設で子どもたちと交流。不登校女子森七菜が登場。学校の先生(光石研)への拒否感がすごい。みんな頑な。この子も秋好と田端に感化されモアイに参加?
さらに社会福祉を専攻する大学院生脇坂(柄本佑)も登場。こいつがモアイを秋好の理想とかけ離れたデカいサークルにしてしまった元凶?

現幹部テンさん(清水尋也)がうさんくささ全開で怖い。なんだこのサークル。おそろいのTシャツとか怖い。学生のうちから名刺交換とか怖い。ナンパ学生だらけのヤリサー?ひょっとして宗教?って同じ大学の学生たちから思われてる。
てか大学ってこんな場所なの?たぶんスーパーフリーがモデル?
だがそれは田端や董介の思い込み誤解?!

創設者秋好が登場というシーンで口あんぐり。あれ?秋好って死んだんじゃなかったの?それ、物語の構図を根本から変える。叙述トリックじゃん!驚いたわ。
脇坂とデキた秋好を恨んだ田端が陰湿な陰キャ学生?陽気で上手く立ち回るリア充を嫌悪?
ネットで拡散させて意気揚々の吉沢亮(田端)の端正顔とイッちゃった目が怖いわ。秋好さんのほうが被害者だわ。

そんな面白くも楽しくもない哀しい大学生活の暗黒な現実を回想し呪うドラマ映画。なんでこんな話を描く?なんでこんな青春映画を作る?

健全な明るい女の子にとって陰気な男の気持ちはまったく理解できない…という映画。
講義室での秋好と田端の直接対決がもうつらくて見てらんない。(なにげに名シーンかもしれない)
秋好の田端を汚い物でも見るような目も怖い。「気持ち悪い…」それだけは言っちゃだめだ。なんとも嫌な気分になる地獄映画。

後から「実はこんなことが起こってました」という映画。田端が嘘つきだし悪い。青くて痛くて脆い。
子どもを大学に行かせるって、こういう陰湿なやつと出会う可能性もある。今の大学生はSNSがあっていいなと思うけど、むしろ地獄。

主題歌はBLUE ENCOUNT「ユメミグサ」 (Ki/oon Music)

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