アイザック・アシモフ(Isaac Asimov 1920-1992)がいつの時代の人かも知らなかった。ロバート・A・ハインラインより13歳年下。アーサー・C・クラークより3歳年下。
ソ連スモレンスク州ペトロヴィチのユダヤ系家庭に生れ3歳のときに家族でアメリカに移住。
幼少のころより優秀。化学でコロンビア大に進学。奨学金特待生。学生時代からSFを書き始め研究者として働きながら執筆創作。
宇宙人(かつて地球から宇宙へ植民していった人々の子孫)の支配下、地球人類は「鋼鉄の洞窟」都市に閉じこもって暮らしてる。市民には階級のようなものがある。
ニューヨークシティ警察本部長から呼び出されたベイリ刑事は宇宙人ロボットR.ダニールと組んで宇宙市で宇宙人が殺害された事件を捜査する。宇宙人を殺害したのが地球人だとしたら、それは由々しき事態。
東西冷戦中の50年代アメリカは「赤狩り」の時代。そんな雰囲気も感じる。スパイを探すサスペンス小説のような雰囲気もある。ブレードランナーのようでもある。
さらに50年代の地球は人口爆発と食料不足、エネルギー不足が人類の不安の種。宇宙人からも心配される。劣悪な人類を導くことが宇宙人の使命。
そして有名な「ロボット工学三原則」。人間と見分けがつかないロボットへの恐怖と反発。反ロボット暴動を扇動する組織が?!
しかし数千年後の未来であるはずだが、人々はイースト発酵させた何かを食べてる。スマホのようなものは持っていない。フィルムで写真を撮っている?まだ光学レンズの眼鏡をしている?!まだまだ聖書の影響が存在?
50年代の科学者が想像した未来を現代人はすでに超えている。
SFでありミステリーでもあるという新機軸。ラストでの主人公ベイリ刑事は濡れ衣の罠。
ベイリ刑事の長広舌がやたら長い。
だが、これは古典的名作と呼んで差し支えない。ベイリとダニールの人間と宇宙人作成ロボットによる、異文化バディ刑事もの。
背後にある壮大なテーマ。有名SF作品として一度は読むべき。
読んでるときはずっと映画をイメージしていた。だがまだ映像化されてない?なぜ誰も映画化しようとしないんだ?
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