2022年10月7日金曜日

岩波少年文庫3057「アーサー王物語」(1957)

岩波少年文庫3057「アーサー王物語」(1957)R.L.グリーン編 厨川文夫・圭子訳 を読む。
自分、アーサー王伝説についてほとんど何も知らないので夏目漱石「幻想の盾」「薤露行」があまりよくイメージできなかった。押井守「アヴァロン」も。

で、この本で初めて「アーサー王と円卓の騎士」の世界について触れた。ちょっと驚いた。アーサー王は主人公じゃないじゃん!話を聴いてるだけじゃん!
むしろガウェイン卿、ラーンスロット卿、ガラハッド卿といった騎士のほうが主人公。

それと時代的に日本で言ったら古墳時代?!ブリテン島がいくつもの王国に別れていた時代。アーサー王はサクソン人たちと戦ってる。勇敢で心の正しい円卓の騎士たちが暴れん坊荒くれ盗賊のようなやつらと戦ってる。槍で相手を突く騎馬戦をしてる。

なんだか、古事記みたい。出雲神話かもしれない。
アーサー王と円卓の騎士たちは神武天皇かヤマトタケル、騎士たちはスサノオ、桃太郎みたいなものかもしれない。なにせ竜や蛇とも戦う。

あと、聖杯を探求する話のわくわくする感じは異常。インディ・ジョーンズに出てきたようなシーンがあった。

登場人物たちがとにかくすぐ人を殺す。岩波少年文庫は小学生高学年から中学生あたりの読者を想定してるに違いないが、若い読者はこの物語をどう人生に活かせるか。

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