2022年10月8日土曜日

広瀬すず「ゴーストバンド」(2013)

広瀬すずが出演した「ゴーストバンド」(2013)という短編オムニバス映画があるので見てみる。こんな映画の存在をまったく知らなかった。広瀬すずが出ていなければ見ようとも思わない。
主演はマキタスポーツ。監督脚本は月川翔。企画と制作はザ・フールとワタナベエンターテインメント。配給はGAGA。

マキタスポーツは万年床和室にアコギとヘッドフォンとパソコンで作曲することが仕事。解雇されるギリギリにいる作曲家。人気POPSグループの楽曲に採用されるかもしれない。
自宅にはヤクザ借金取り。やたら賢い長男(相澤侑我)。妻(片岡礼子)と離婚の危機。中年男の悲哀。

この男が幽霊が見えるらしいのだが、歌舞伎メイクをした歌舞伎X(カブキックス)というメタルバンド。「またステージに立ちたい。」霊媒をメンバーぶん集めてライブをしたいらしい。
広瀬すずは神社の石段でベース弾いてる女子高生。老神官(大石吾朗)から「学校に行かなくていいのか」に対して「うっせぇなあ」とか言う今どき生意気JK?この子にも幽霊が憑依。カブキックスは見える人にだけ見えるらしい。

乗り移られた本人によれば、霊媒になると気持ちがいいらしい。すず「なんか、すごい感じちゃった♥」

で、マキタ、すず、神官、街の暇老人(小倉一郎)でメタルバンドをやるって映画。
そういえばこの時期マキタスポーツはビジュアル系バンドやってフェスとか出てたんだった。この映画ありきの企画だったの?
パッヘルベルのカノンを息子とセッションするシーンがあるのだが、マキタは「やりすぎ都市伝説」でこの曲のコード進行について解説してた。それもこの映画の影響?

バンドのプロデューサーがほぼカールスモーキー石井だし嘉門達夫。テキトーなことしか言わないのに力を持ったプロデューサー。

家族のためにがんばって仕事してたのに家族を失う危機。何のために頑張れば?
借金取りがレコード会社に押しかけたことで仕事を失ったとしたら、それは逸失利益として借金と相殺できるのでは?
神社の夏祭りで音楽コンサートすればそれは夏フェス。そこにもヤクザ借金取り。返済のメドがたたない男から少しでも回収できるようにするほうが債権者にとってもいいことだろ。
幽霊が憑依して借金の証書飲み込むことができるなら最初からそれやれよ。

やっぱり内容とクオリティはC級以下のビデオ映画だったのだが、メジャーな日本映画にはこれよりもクソなものがたくさんある。わりと良心的で頑張ってる。けどやっぱり脚本は水準に達してない。

68分ほどの短編。想像してたより広瀬すずの出演シーンが多かった。クライマックスですずライミングがあるのだが、ほぼ「一度死んでみた」クオリティ。ダメだこりゃ。そもそもDVDジャケットのセンスもダメ。
残り余白は本広克之監督の「Regret」という作品を収録。主演は原田泰造。制作はROBOT。
バイク通勤スーツサラリーマンが事故って中を舞う間の走馬灯フラッシュバック。そして幽体離脱。まるでMVを見ているようで困惑しかない10分ほどの短編。スタッフロールで原田のメイキング。
自分にとって小橋めぐみさんは「TRICK」シーズン2の20歳ぐらいの姿で止まったままだった。当時も今もあまり変わっていない。 

そして木村好克監督脚本の「通学ダッシュ!」。主演は山本舞香。大学推薦のためにに絶対遅刻できない状況で通学ルートの全てがふさがれているというありえない状況。朝の通学途中で話しかけてくる友だちが伊藤沙莉。

通学するだけで社会のすべてが敵。このヒロインは何も悪くない。むしろ被害者。まるで高校生が文化祭のためにつくったようなこども不条理ムービー。見ていてすごくイライラ。これも10分に満たない短編。
ひったくり犯がそこにいたとして、ハイキックでコンクリートに倒して植物人間にしたとして、正当な制圧行為と私人逮捕といえるのか?

真壁幸紀監督脚本の「Starry Night」は不動産会社社員渡辺大知が優柔不断内見客波岡一喜の非常識に振り回される嫌なドラマ。(センパイ風吹かせる同僚社員も嫌)
物件窓から夜空を見上げてる岡本杏理を見つけて…。
これも見ていて何も面白くない。何か秀逸なオチを期待したけど何もない。ただイライラしただけ。

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