2022年10月12日水曜日

南沙良「女子高生に殺されたい」(2022)

「女子高生に殺されたい」(2022 日活)を見る。監督脚本は速い!上手い!安い!ピンク映画職人の城定秀夫。2020年「アルプススタンドのはしの方」から世間の評価が変わり始めてる。制作はダブ。音楽は世武裕子。PG12指定。

主演は田中圭だが、自分は南沙良を確認したくてチェック。2021年に「ドラゴン桜」、そして今年は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも出演していた。

桜の季節の新学期、佐々木真帆(南沙良)と小杉あおい(河合優実)が一緒に登校。新任の日本史教師東山春人(田中圭)が爽やかハンサムだと一部でざわつく。人気者先生。
田中圭はここ数年の人気ぶりがすごい。大波に乗ってる。自分には田中圭は何を演じても田中圭に見える。

南沙良は昨年のドラゴン桜が印象強すぎ。まだまだ人気が定着したとは言い難い。今年は「鎌倉殿の13人」で大姫を演じて話題。なんと細田佳央太もクラスメート。
小杉あおい(河合優実)は近年出演する映画がどれも話題作になってる。「サマーフィルムにのって」と同じようなメガネキャラ。

あおいは東山を見て体調が悪くなる。過呼吸?
真帆がアイラインとシャドウが濃い。ギャル?
真帆はあおいが東山先生のことが好きなの?と思ってる。あおいの過去には何か秘密が?

一方、東山もこの学校で過去に起きた教師と女子生徒の淫行不祥事について調べてわざわざこの学校へ転任してきた様子。

心理カウンセラー(大島優子)と対面で自分自身のことを話してる東山の映像が挟まれる。どうやらこれは臨床心理学生時代の演習?
わりと長い時間、東山田中圭の独白ナレーションが続く。「思春期のころからかわいい女の子に殺されたい…」という願望があった。だが、恋人大島優子に対してそういう願望はない。

もっとPOPな内容がかと想像していたのだがシリアスなサスペンス路線。胎児のときへその緒が首に絡まって死にかけた…という件はエラリー・クイーンの某有名作品を連想した。
東山は演劇少女京子(莉子)という生徒に接近していく。この女子生徒に文化祭の11月8日に殺されることを目標にしてる?
なのに柔道少女沢木(茅島みずき)も気になっている様子。

東山を殺すのは誰?「彼女」って誰?一見ヒロインの河合優実と南沙良はどう絡む?
キャサリンって何?なぜに犬に女子生徒を襲わせる?なぜに犬の死骸が教室に?東山は何を企んでる?
校内がざわつくのでスクールカウンセラーがやってくる。え、大島優子?これって東山の策略じゃなくて?
東山は女子生徒たちを操ってる?だが、真帆は東山のペースには合わせない。なんと真帆は多重人格?!
9年前に八王子の公団住宅で起こった8歳少女による男性絞殺事件への東山の執着とどういう関係が?
どういう展開なのかまったく予測できない。

そして文化祭での舞台演劇へと収束していく「女子高生に殺されたい!」「美少女女子高生じゃないとダメ!」という変態男の仕組んだ緻密で遠大な計画。一部叙述トリックのサイコサスペンス。
けっして変態男を教育現場に置いてはいけない。文化祭演劇のラストのアレは笑った。体育館にいた観客も悲鳴を上げるよりも「何かの演出?」と思って笑うに違いない。

心理カウンセラー役の大島優子が優秀な女優であることを知った。自分は「紙の月」以来で女優大島優子を見た。え、もう33歳なの?調べてみたら昨年結婚してた。

南沙良と河合優実の素晴らしい才能も再確認。
予測できない脚本と演出と映像で映画にまとめた城定秀夫の映画職人ぶりを感じた。

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