なんと撮影監督にクリストファー・ドイルの名前がクレジット。
主人公美倉洋介(稲垣吾郎)は耽美派の天才小説家なのだが異常性欲の持ち主。ある日、新宿駅地下通路でヴェルレーヌの詩を口ずさんでるアルコール依存症の薄汚れた浮浪女バルボラ(二階堂ふみ)を拾う。
新宿駅の雑踏と場末感が昭和の雰囲気。ここまでずっとジャズっぽい音楽。
美倉は高級マンションの部屋に連れて行く。女はいきなり地下通路の地べたで寝転がっていたのにキレイなベッドに寝転がる。こういうの、潔癖な人からすると悲鳴。まず風呂に入れて衣類を洗濯させろ。
美倉もそんなに嫌悪の表情するならそんな女を拾ってくるな。
美倉がフリージャズ聴きながら原稿書いてる一方で、女は「スーダラ節」を唄いながら高い酒飲みながらシャワー。官能表現箇所のコピーを奪い取り読み上げられると作家先生は不機嫌になり女を追い出す。
美倉は正装して文壇のパーティーに出る。新進作家四谷(渋川清彦)のためのパーティーらしい。美倉の担当編集者が石橋静河。スピーチするはずが美倉は会場を抜け出し街の雑踏へ。この音楽と汚らしい街の風景が合わさるとほぼ昭和に見える。
美倉はセレクトショップへ入っていく。店員片山萌美が妖しく微笑む。この作家先生は誰もが知ってる有名人らしい。カーテンの奥に美倉を招き入れると衣服を脱ぎだす。この女の雰囲気が昭和デカダン。「もっと強く叩いて!」え、どM女なの?この女が美倉の本を軽くディスってくる。先生の本はバカな読者向け?
そこに二階堂が急に現れてどM女をめちゃくちゃに壊してバラバラにする。え、そこ急に幻想ホラー。この女はマネキン人形だったの?
バルボラはまた作家先生の部屋に居候。酒ばかり飲んでお茶を入れることすらしない。酒瓶持って新宿の街を彷徨。このへんの映像がいかにもちょっと昔の映画芸術。
パーティー会場にいた里見志賀子(美波)の父は次の都知事戦に立候補。応援演説を頼まれる。え、そんなのムリ。政治のことよくわからないし。
美波からねえちょっと散歩しない?と誘われ繁みの影でまたしても熱烈情交。え、この女は男に噛みついてくるの?そこにまたバルボラ。バルボラはスコップで美波を殴り倒したかと思ったら、美波は犬だったの?
バルボラに誘われて半裸の男女の妖しい店へ。20世紀初頭のベルリンみたいな雰囲気。
美倉はバルボラを主人公に小説を書くことにする。
ポールダンスやってる女を眺めながら酒を飲んでると四谷が訪ねてくる。「加奈子(石橋静河)が心配してるぞ。」
里美代議士の演説原稿を書いてると、代議士が心筋梗塞で倒れてしまう。それは魔女バルボラの呪い?
美倉とばるぼらは激しくお互いを求め合う。二階堂ふみってまだ若いのに映画で全裸になってることが多い気がする。ヌードシーンが大胆に長い。カメラを動かさずがっちり裸を撮ってる。
美倉とばるぼらに干渉しようとした加奈子はトラックに轢かれて瀕死。怖い。
魔女バルボラと結婚したい美倉はその母ムネーモシュネー(渡辺えり)の求めに応じて宣誓書に署名。(この渡辺えりさんの造形がコントのように面白くてちょっと笑ってしまった。)
全裸にされた美倉は黒魔術儀式形式の結婚式に強制参加。ここ、サスペリアみたい。なんだこれ。こんな撮影日本で可能なのか?
その現場に警官が突入。美倉は大麻所持ということになって逮捕。
そして数年。いつの間にか可奈子と結婚してた。二人三脚で再出発。だが美倉は酒浸りで小説のほうはさっぱり。なぜか石橋静河が棒読み演技。たぶんあえてそういう演出?
酔っ払って路上で寝ていると警官に起こされる。おでん屋台で飲んでると酔っ払いとケンカ。
するとやがてバルボラと再会。母は美倉を裏切り者だと思っているので美倉とバルボラは逃げることになる。美倉はあんな荒れた生活してても車を持ってたのか。
逃避行中に見つけて忍び込んだ別荘でバルボラは頭の怪我、寒さと空腹で急死?!これがやつらの復讐なのか?
何度も何度も二階堂ふみの全裸のカットが長時間ある。日本映画で有名女優の裸をこれだけ長く見せるカットを多用するのはめずらしい。視聴者の目に二階堂ふみのトップレスを含む全裸が自然と焼き付く。
そして男は狂気の中でバルボラの小説を書き始める。
なんだこの映画。現実感のない幻想映画。これが昭和か。自分、ぜんぜん手塚治虫を読んでない。あんまり読もうと思わない。
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