2022年9月12日月曜日

山田杏奈「ひらいて」(2021)

「ひらいて」(2021)を見る。原作は綿矢りさの同名小説(新潮文庫)。監督脚本編集は首藤凜。音楽は岩代太郎。制作はテレビマンユニオン。配給はショウゲート。PG12映画。

新藤美雪(芋生悠)は朝一番に登校する目立たず暗い生徒。儚げ。糖尿病を患っている。いきなり校舎の裏でぶっ倒れてたりする。(ロケ地が足利西高校だ)
そんな新藤さんを助けるのが木村愛(山田杏奈)。口移しでジュースを飲ませる。

ヒロイン木村さんは同級生西村たとえ(作間龍斗)に恋心。授業に集中してないけど、西村が朗読すれば注目し耳を傾ける。わざとゴミをぶちまけて話をするきっかけをつかむ。
なんか腹黒小悪魔っぽい。山田杏奈はそういうキャラがすごく合ってる。

なんか登場人物がみんな物静か。優秀な生徒らしい。
ヒロインは大学進学のために塾通い。かと思えば男女で深夜の学校に潜入するなど羽目を外す。忘れ物を取りに教室に侵入と称して西村に関する情報を収集するスパイ。綿矢の高校時代もこんな感じだったのか。
多田という男子から告白されるけど「好きな人いるから」と断る。

じつは新藤さんは西村に手紙を書き送ってた。ふたりはそういう関係?
木村さんはひっそり目立たないように行動する新藤さんに接近していく。人目を避けて腹にインシュリン注射してる姿を目撃。

新藤から西村への私信を盗み読むうちに新藤さんを観察するようになる。親しく振舞って接近していく。なんで?
ちょっと待て。健康な人にインシュリン注射していいのか?
木村は新藤とふたり映画を見に行って質問してみる。「どんな人とつきあってるの?」「西村たとえくん」
木村は自然を装って西村くんとの関係を根掘り葉掘り聞いてみる。「で、どこまでしてるの?」と言って木村は新藤にキス。なんだこの女。これは戸惑うしかないわ。

三者面談で西村の父親(萩原聖人)を廊下で見かけるのだが、この父親が見た瞬間にヘンな人だとわかる。木村はそこもすかさず鋭い目で観察。

木村は文化祭準備のために西村とふたりきりになるように図る。自然を装ってやはり新藤と西村の関係に探りを入れる。そしてしれっと自分も好きだったと告白。新藤も西村もダメージ負ってるみたいで見ててつらいわ。

西村は木村に疑い。木村はキレる。「西村くんは壁を作って他人を見下してる!二人の世界で引きこもってたらいい!」と捨て台詞。なんだこの女。怖いわ。

文化祭のダンス練習も投げやり。推薦で大学が決まると勉強も投げやり。もうめちゃくちゃ態度悪い。
え、新藤さんは木村が自分のことを好きだと勘違い?
てか、木村さんてそういう人?ほぼ痴女。見ていて混乱。木村は新藤さんの部屋で新藤を強引に押し倒す。まったく予想してなかった百合シーンがめちゃくちゃエロい。嫌なら嫌だと強く拒めよ。

やっぱり木村の目的は西村だったのか。優秀だった高校生が自己の欲望のままに行動していく。周囲は困惑するしかない。
西村も反撃しろよ!と思ってたら、西村は冷たく辛辣な言葉を投げかける。西村と新藤の固い絆には入り込めない。木村はイライラして精神崩壊。
けだるそうな山田杏奈が「ミスミソウ」を思い出させる感じで狂ってて惹かれる。西村の毒親父を睨みつける顔が美しい。ほぼ主演女優賞級。山田杏奈の代表作と言っていい。オススメする。

主題歌は大森靖子「ひらいて」(avex trax)

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