原作は竹宮ゆゆこの長編小説(2016 新潮文庫nex)。監督脚本編集はSABU。
主演は中川大志と石井杏奈。制作はROBOTで配給はイオンエンターテイメント。PG12映画。
何の予備知識もないまま見始めた。ありゃ?冒頭が北村匠海の独白。ヒーローになることを夢見る少年。父が死んだときの経緯を独白説明。父は川で人命救助してて死亡。母が原田知世。
次のシーンでは学校へ全力で駆ける中川大志。何がどうなってる?こいつが主人公濱田清澄(高3)らしい。
急いで体育館へ行くと衆人環視の中ひとりの女子生徒が陰湿なイジメに遭ってる。なぜ?
イジメにあってる蔵本玻璃(石井杏奈)が怖いほど完全に狂ってる。主人公が話しかけると発狂したようなスクリーム奇声音を挙げる。そのことを知らなかったのは主人公だけ?
同級の松井愛莉(話の要領を得ない)から警告を受ける。「あいつはやばい」「玻璃に話しかけた3年生がいる」と1年生の間で話題になってる。
なんだこの設定?こんなの見たことない。狂ったように叫ぶ生徒をなっぜ教師たちは放置する?そもそもこんな生徒がなぜ学校に通う?それに1学年全員が陰湿イジメとかありえるか?幼稚すぎないか。
主人公が玻璃を助けただけで1年生全員から「ヒマせん」と呼ばれる。正義マン扱い?この1学年全員が敵?これが田舎底辺高校か?
厳寒の個室トイレにずぶぬれのまま籠っていた玻璃に主人公は強引に干渉する。この両者がかなり変。玻璃は吃音なのか?
頑なに正義を拒んでいた玻璃はついに主人公の差し伸べた手をつかむ。このシーンが異常に長く感じる。
さらに家でおしるこの会話シーンもすごく作為的で冗長に感じる。劇場で舞台芝居を見てるようで映画らしく感じない。
話がぜんぜん進展しない。いつまでふたりだけで会話してんだ。この会話がかなりスベってる。
もう少し適切な正義の施し方というものが他にないか?高1にもなってこんな酷いイジメに遭うって何か適切な防御方法はないのか?
見ていてとにかく超絶退屈で困惑。どういう意図でこんな映画をつくった?こんな映画を海外映画祭で公開するな。
実はこの映画を見た理由は清原果耶。玻璃の同級生(尾崎妹)。こいつはわりと親切でマシな生徒。前髪ぱっつん茶運び人形みたいな風貌だが中身はギャル。
どうやらこの映画は言葉を発してのコミュニケーションの重要性を教えてるのかもしれない。中学生向けか?
主人公の母矢田亜希子さんがまるで二十代ヒロインかのような可愛らしさを見せる。
玻璃の父堤真一があきらかに狂ったDV父らしくて不気味で圧迫感があってすごく嫌。まさに日本社会の病理の具現化。こういう人を父親にしてはいけない。ほぼ羊たちの沈黙。玻璃のスクリーム音が怖い。
後半になって急に雰囲気が変わる。サイコホラー映画なら最初からそれらしくしてくれ。そうと知らずに純愛モノだと思って見た人が困惑するし心臓に悪いだろ。
玻璃が堤真一を滅多打ちにするシーンがこの映画で唯一スカッとした箇所。よくあの状況で生きてたし機敏に動けた。
映画冒頭と中間部でなぜに親子キャストが違うのか?
ああ、そういう時系列だったのか。
増水した川には近づくな。狂ったやつには近づくな。
PS. 中川大志はまだ20代前半だというのに演技に毎回感心させられる。その場面に最適解な表情をビシッと決めることができる。「鎌倉殿の13人」における新しい畠山重忠像はこの俳優が非凡な才能を持っていることを示した。かなり世間に浸透した。
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