2022年9月6日火曜日

西野七瀬「あなたの番です 劇場版」(2021)

人気テレビドラマのスピンオフ映画「あなたの番です 劇場版」(2021 東宝)を見る。
監督はテレビと同じく佐久間紀佳。脚本は福原充則。原案の秋元康がどこまで制作に口を出してるのか不明。

テレビドラマ版はあんまりしっかり見てなかった。西野七瀬めあてで見たので、終盤の西野大活躍パートしか見ていない。なのでアパート住人たちのキャラ設定がよくわかっていない。まったく知らない登場人物もいる。

とある集合住宅の住民たちの間で起こった交換殺人。劇場版では主人公の田中圭と原田知世が結婚披露宴を行うクルージング旅客船で恐ろしい連続殺人が起こって…というストーリー。

日本映画の娯楽作はたいていこんなキャスト全員をギュッと集めたデザインとビジュアルになってしまう。もうこれが決定的にダサイ。それがわかってる映画関係者もいるはずだ。なのにいつまでたってもやめられない。なんで?
こちらの西野と横浜のビジュアルが良い。映画の内容も実質、黒島西野が中心。

予告編でも強調されていたのだが、ドラマのファンに向けたアフターファンサービス二次会映画。ドラマと同じキャストとキャラ設定で、別脚本で別の世界が展開。

クセの強い登場人物たちが、ありえないテンションで大げさ演技をする。大げさに驚く。たぶんそれがウケたんだろうと。(だからこそ西野七瀬が浮いていた。)

まず結論から言うと、単品のサスペンスミステリー映画としてはとても退屈だった。予想していたよりもつまらなかった。
そもそも同じマンションの住人だけでクルージング披露宴という設定が異常。ありえんだろ。住人もなぜそんなものにつきあう?
劇場公開作として耐えがたいツッコミたい箇所が多いのだが、ここで触れようと思わない。

西野七瀬演じる黒島ちゃんのはかなげさがとても良い。体型がうすっぺらくて華奢で男はみんな守ってあげたくなる。とにかく可愛らしい。なのに冷たい印象も受ける。この子を守るためなら死ねる。そういう雰囲気を持ってる稀有な存在。それが西野。
西野七瀬が部屋のドアを開けると炎に包まれた火だるま男が飛び出すのだが、このシーンの西野の顔が面白くなってしまっている。自分が監督なら撮り直したい。

田中圭演じる主人公が猪突猛進でバカみたいなテンションでうるさいw
横浜流星みたく自分もめんどくさい奴は側頭部にハイキックかましてKOしたい。
奈緒がただただ変態女で見ていて怖い。
木村多江さんは海でバタフライして視聴者を笑わせるために登場。
ラーメン片桐が海水ホースで吹き飛ばされるというギャグシーンがなぜ必要なのかわからない。

そもそも最初に殺された竹中直人の扱いが雑。説明もない。
浅香航大はサイコパス刑事の第一人者となりつつある。
なんでクルーズ客船が巨大サメを引き揚げてる?このシーンは客を笑かしにかかってる。
警察も乗り込んで警戒してるのに、犯人はどうやってあんな高い場所に死体を縛り付けた?(犯人の立場ならできなくないが、誰かに見られるリスクを冒してやる必要は感じられない)
田中圭もバカだが原田知世も最後でバカ。
あの謎液体マーキングは一番怪しいヤツに一番に一発ぶちかませばいいだろ。
和田聰宏さんがすごい不正アクセステクニックを持っていて笑った。
大友花恋がまったく見せ場もなくて目立ってない。
視聴者はあんなくだらないラブストーリーとか求めてない。終盤ダラダラ長くて退屈。

結果、見ていてつまらなかった。スマホいじりだすレベル。

肩出し西野が見れたので良しとしたいところだが、それでもやっぱり劇場公開作映画のクオリティ―にない。SPドラマでよかった。この作品が日本の人気作として海外で紹介されたら恥ずかしい。でもまあ、鮫シーンで「そうゆう映画」だとわかってくれればいいが。

自分、西野七瀬がこんなに好きになるとは思わなかった。それぐらい「あな番の黒島ちゃん」は可愛らしいし魅力的。あまり感情がなさそうな感じに西野がすごく合ってた。

この世には映像化を待っているミステリー作品がまだまだ無限にある。もっとしっかりした内容のあるミステリー作品でヒロインをやってほしい。なんなら探偵をやってほしい。日本映画に不可欠なスターになってほしい。
主題歌はAimer「ONE AND LAST」。この曲のMVは西野PVになっている注目作。

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