宮崎駿「天空の城 ラピュタ」(1986)はもう何度も何度も地上波(金ロー)でやってて自分も何度か見たことあったけど、後半しか見てなかったりで、子どもの頃に見て以来いちども見通してなかった。2022年8月12日の放送でほんとに久しぶりに、たぶん20年ぶりぐらいで見た。しっかり見た。
もうラピュタは宮崎駿を代表するマスターピースという扱い。公開当時はまだまだ長編アニメ映画はこどもが見るものという扱いで興行的には苦戦。時代は変わる。
ストーリーは宮崎駿オリジナル。近未来世界観と19世紀末を融合したSF。
だが、主人公パズーの労働者少年とその周辺の風景世界はイギリスで言ったらエドワード7世時代っぽいなと今回初めて感じた。
自分、「ラピュタ」を初めて見たときはしばらくぼーっとしてしまった。それまでまったく見たことのないレベルのまったく新しい世界観の大冒険活劇だったから。とくに雲の向こう側に空中都市が出現したときの興奮といったらなかった。
- まず飛行艇を海賊が襲撃というアクションで始まるつかみが良い。
- 捕らわれの少女というモチーフは欧州の伝統。クラリスもそう。
- オープニングの音楽とタイトルバック映像が良い。
- さらに少年の日常に空から女の子が降ってくる…という話のつかみが良い。重力の表現が良い。
- パズーの朝のトランペット独奏が良い。夜明けとともに始まる今後の展開に期待が高まる。トランペットが吹けたらまずこの曲から練習したい。
- 鳩のエサやりシーンすらもセル画アニメとして天才の所業。
- 羽ばたき模型飛行機を自分も昔作ったことある。あれ、また欲しい。
- 海賊と親方の筋肉バトルとか時代を感じた。
- メカアクション第2弾の鉄道シーンも神の所業。ガールズパンツァーに与えた影響も絶大。
- 海賊ババアのドーラが現代の50代とはまるで違う。イタリア南部やバルカンの農婦のような老け込み方。この人が序盤はすごく嫌w
- 崩壊した木造の鉄道橋とか再建にどれだけ手間がかかるんだ。むやみに火砲を撃つな。
- 久石譲のBGMも素晴らしい。昔サントラ持ってたはずなのだがとっくの昔になくなった。
- こどもにも暴力ふるう秘密警察と軍が極悪。
- 捕らえられたパズーのシーンでも未来少年コナンぽい要素。
- 悪人ムスカのキャラ造形がとても良い。レプカ局長、カリオストロ伯爵、そしてムスカ。この3人が宮崎アニメの3大悪人。なぜかみんな小さな女の子に執着。
- それにロボット兵のデザインが良い。ルパン三世にも登場したラムダを踏襲。
- 思い出した呪文をつぶやいてしまってからのロボット兵の暴れっぷりが未知すぎて恐怖。動力源は一体何なんだ?
- すり抜けながらかっさらうシーンも神の所業。完璧なタイミング。
- ラピュタに上陸してからはひたすら陶酔と興奮。
- 捕らわれたドーラたちに接近するべく構造物の下側からよじ登るパズー。ボロボロと石が崩れるシーンはシータと同じようにビビリまくった。
- ムスカの名場面名セリフ。
- 逃げてー!のシーンが子どものころホントに怖かった。兵士にはなりたくないものだ。
- そしてバルス。自分もここぞというときに滅びの呪文を唱えたい。
映画公開から36年経っても人気作。今やドローン兵器が実現してる。さらにもう30年経つとロボット兵器も実現してしまいそう。
だが、人類は未だに重力をコントロールする方法は何もつかめていない。
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