2022年9月26日月曜日

1917 命をかけた伝令(2019)

「1917 命をかけた伝令」(2019)を見る。ずっと見ようと思ってたけどやっと見た。日本でも2020年2月に公開。ドリームワークスの制作。監督脚本はサム・メンデス
第一次世界大戦、2人のイギリス兵の1日を全編ワンカットに見えるように密着して追い掛けた没入感のある作り。映画館で見た視聴者はずっと戦場にいるように錯覚。

自分、最近までイギリス、フランスでは大戦と言ったら第一次大戦のほうだと知らなかった。第二次大戦よりも死んだ兵士の数が圧倒的に多い。開戦当初は徴兵制がなかったために、多くの名門名家の息子たちが戦場で命を散らした。塹壕の中での悲惨な死。

1917年4月6日、西部戦線のドイツ軍はアルベリッヒ作戦によりヒンデンブルク線まで戦略的退却中。
木の根元で寝ていた2人の兵士トム(ディーン=チャールズ・チャップマン)とウィル(ジョージ・マッケイ)が軍曹に起こされる。塹壕の中を会話しながら歩く。100年前の英国人ぽい英語。
エリンモア将軍(コリン・ファース)から直々の命令。通信不能の第2大隊に作戦中止の情報を伝えよ。この事実を知らせないと兵1600名の命が危険。その中にはトムの兄ジョセフ(リチャード・マッデン)もいる。でも、行けって言われてもどうやって?ふたりだけで?

兄が心配で焦るトムとビビるウィルは塹壕の中をぐんぐん進んでいく。伝令って何か目印のようなものないの?自軍兵士と反対方向へ急いでると脱走兵と間違われないのか?最初は塹壕の中でぼーっとしてる兵士たちが邪魔。負傷者や死人を踏むと怒られる。

どこに敵がいるかわからない戦場を姿勢を低くして歩く。馬の死体。鉄条網。カラスがついばむ仲間の腐乱死体。砲弾の跡のくぼみの水たまりにも死体。泥水に身をひそめるとか嫌だなあ。
ずっと緊張状態のまま歩く。大陸のねずみは英国のよりデカい。
敵は爆弾トラップも残していってる。ウィルが爆発に巻き込まれたのだが無事。だが地下室が崩落しそう。まるでお化け屋敷みたいな映画。

ずっとふたりだけ。他に人間がいない風景が続く。ときどき偵察飛行のぶーんという音。戦場にある家は敵が潜んでるかもしれないのでメタメタに破壊される。家の持ち主はたまったもんじゃない。

途中で撃墜された敵機がこちらに突っ込んできて炎上。ドイツ兵を救おうとするのだが、トムがドイツ兵に刺される。ちくしょう。助けなきゃよかった。トムはウィルに抱かれて失血死。ここから先はウィル独り旅。

かと思ったら友軍に合流。トラックに乗せてもらうのだが、橋が落ちてて進めない。ここからまた独りで進む。
敗残兵が廃墟の中からバンバン撃ってくる。急いで命令を伝えに行かないといけないのに敵と1対1で撃ち合い。撃たれて眠ってしまう。いつのまにか鉄兜も失ってる。どんどん装備を失うし最終的に銃も失う。炎上してる街が幻想的地獄。

伝令が伝わるころにはその命令はもう無効では?こんな無茶な命令をした将軍がいちばん無能。
主人公がボロボロになっても必死。はたして伝令はマッケンジー大佐(ベネディクト・カンバーバッチ)に伝わるのか?!
本来なら主人公はもう何度も死んでいる。虚しい結末を予感してたけど、主人公の献身努力は一応無駄にならなかった。

欧州はこんな地獄の戦争を何度もやってきてやっと平和になったと思ったのに、プーチン・ロシアがまた同じような地上戦やって平和をぶちこわした。こいつとその一味だけは必ず地上から除かなくてはならない。

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