「サマーフィルムにのって」(2021)を見る。監督は松本壮史、主演は元乃木坂46の伊藤万理華。パイプラインの制作で配給はファントムフィルム。
この映画もコロナで製作が中断した。2020年11月の東京国際映画祭でプレミア上映。単館上映作としてはヒット作。製作になぜか今野義雄の名前がある。ソニーミュージックも噛んでる。
乃木坂メンて卒業してしまうともうオタたちから話題に上ることも少なくなる。自分、伊藤万理華のことをもうそれほど覚えてない。乃木坂在籍時代が思い出せない。けど、たぶん一番演技が上手だった気がする。
時代劇映画大好きJKが未来からやって来た少年を主人公に時代劇映画を撮るという青春映画。なんだそれ。ロケ地がこれもやっぱり足利西高。
田舎高校映画部の面々が自作映画を部室で鑑賞上映。最初のカットからヒロインのハダシ(伊藤万理華)部員の顔がやっぱり面白くなってしまっている。リュック少女。自分には伊藤が谷敬に見えるときがある。
隠れ家秘密基地は橋の下の廃バス。見てる映画が座頭市。「勝新が尊い!」
そんな貴重なポスターとか廃バスの中に置いておいて大丈夫か。
ヒロインは映画部の主流派(おそろいピンクTを着たリア充)から距離を置いている。こいつらの作る恋愛映画をボロクソにこき下ろす。「好き♥って言いすぎ」
川原でやってることが座頭市ごっこ。そんなJKいるか?
ヒロインは同じ高校の男子を薄目で観察してる。いつも仲良し女子トリオでつるんでる。会話が時代劇スターばかり。ある意味、もうひとつの映像研。
あれ?いきなり風景がフリーズ。なにこれ。そこに突然少年(金子大地)。
そいつ凛太郎と映画館で再会。なにこのダサ男。ヒロインが蔑むような目なのだが、これが値踏みしてるときの眼差し?自分が思い描いていた映画主人公にピッタリ!
少年はなぜか逃げ出す。「あ、ハダシ監督!」知ってるの?
少年は川に飛び込んで逃げるも少女も飛び降りる。「ワタシの映画に出て!」「出ませんよ」どうやらこの少年も時代劇映画オタ?時代劇を論じ合う。
SF小説読んでるメガネ少女(天文部)がビート板(河合優実)。「イケメン苦手なんだよね。アンタのことだけど」部室に少年が縛られているのに誰もそこに突っ込まない。
なぜかハダシ、ビート板、凛太郎の3人で引っ越しバイトしてる。映画を作る資金のためらしい。凛太郎の言うことがいちいち違和感。
ハダシの友人2が剣道部少女ブルーハワイ(祷キララ)。剣術と殺陣を担当。
ヒロイントリオは強引に他人を引きずり込んで映画製作。あのリア充映画部のスウィーツ映画とは別の映画を撮る!ひと夏の映画づくり青春。今はスマホで映画も撮れちゃう。それをパソコンで編集。すごい時代になったものだ。
凛太郎はこの学校の生徒じゃないのに高校にずっといる。
映画スタッフメンと仲が良くなるにつれ、つい自分が未来人であることがバレてしまい白状。ハダシ監督は未来では大巨匠?!凛太郎はハダシ監督のファンだがデビュー作「武士の青春」だけ見れてない。残ってない。その上映記録がこの年の文化祭。それを見に来たのに映画に出ちゃった。
あと、未来にはもう映画というものがなくなってる?!
映画ロケも大詰め。海辺での撮影合宿になるとハダシは凛太郎に冷たくなる。避けるようになる。
しかもなんとリア充映画部もキラキラスウィーツ映画を同じ場所で撮ってるw そのオチを2回持って来るところとかセンス良い。
ハダシ監督は海(産み)の苦しみ。そして三角関係。
運命の文化祭上映。完成した作品は上映後廃棄しなければ未来が変わってしまう?!
時代劇大好きヒロインの時代劇映画に賭ける青春という設定が新しい。未来からやって来た少年が時代劇ファンで、後に大監督になるヒロインのファンってまったく新しい。
なによりも伊藤万理華がコメディエンヌとして演技がとても良い。映画スタッフ仲間たちのキャラも良い。みんないいやつ。リア充ライバルの花鈴(甲田まひる)すらもいいやつ。
2021年の青春映画の傑作と読んで差し支えない。高校生って本来はこれぐらい素朴。見終えたあと自分は笑顔になってた。
見ていてまったく飽きなかったし、正しい青春映画だと感じた。令和なのに2000年代中頃、もしくは昭和を感じた。「虹の女神」「桐島、部活やめるってよ」「映像研には手を出すな!」とこの映画の4本立てで映画青春映画祭を開催したい。
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