リドリー・スコット監督の「エクソダス:神と王 Exodus: Gods and Kings」(2014 20世紀フォックス)を見る。脚本はスティーヴン・ザイリアン、アダム・クーパー他。
自分、デミル監督のチャールトン・ヘストン総天然色リメイク版があるのにまたさらにリメイクするのか?と思ってた。今の技術ならより良いものがつくれるとスコット監督が考えたのなら良いものができたに違いない。ようやく重い腰を上げて見た。
紀元前1300年、ヘブライ人は400年間エジプトで奴隷。ファラオのために巨大な像やら神殿やらの建設に駆り出されるという民族の悲しみ。ヒッタイトがエジプトに迫っている。
人類の歴史はずっと戦争で嫌だねえ。ファイトシーンは現代の撮影編集技術なので大迫力。王子が一目でそれとわかる金ぴか鎧で最前線にいるとか危険。
モーゼ(クリスチャン・ベール)が間一髪ラムセス(ジョエル・エドガートン)の命を救う。父王は息子が王の器でないことに気づいてる。モーゼが有能な知将で一目置かれてる。
石切り場の奴隷長老ヌン(ベン・キングズレー)から二人きりで会って話がしたいと告げられる。モーゼの出生の秘密が語られる。ヘブライ人の幼児虐殺の悲劇を生き延びたモーゼ。
なんだか雰囲気がデミル版とかなり違う。展開が速い。テンポがよい。
石切り場総督を不正で逮捕したいモーゼだが、総督は新王に上手く取り入る。そういうずるそうな顔してる。モーゼがヘブライ人だという噂を報告。王はモーゼに疑いを抱く。
王の側近将軍だったモーゼは追放。荒野をさまよう。やがて紅海ティラン海峡へ。そこで出会った娘ツィポラ(マリア・バルベルデ)と結婚。(この個性的な顔をした女優はスペイン人。なんと夫はベネズエラ人指揮者グスターボ・ドゥダメルだと知ってびっくり。)
羊を追って山の中で嵐。土砂崩れに埋まるモーゼは少年から神のお告げ。同胞を救え!なんで神の使いが子どもなんだ。
モーゼは妻と息子を残して再びエジプトへ。ヨシュアとヌンに再会。アロンと兄弟の名乗り。
これでもかと邪知暴虐の狂王。ラムセスとモーゼの対決が始まる。モーゼと家族を探したけど見つからない腹いせにファラオは無関係な奴隷を見せしめ処刑。モーゼはレジスタンス義勇兵に軍事訓練。
デミル版のユダヤの神とエジプトの神の戦いは現代からするとやや滑稽であったのだが、巨大ワニが人間を襲うシーンとか何なの?魚の大量死とか何なの。カエルの大群。虻の大群。家畜も死んでいく。(虻に刺されて顔がぼこぼことか可哀想なんだけど滑稽)
雹が降ってバッタが襲来しエジプトが惨状に。ファラオの権威を失墜させる天変地異。
神に祈ったところで無駄。てかエジプトの神々は何やってる。連戦連敗なのになぜその神を信じれる?
ユダヤ人たちの信じる荒ぶる神はラムセスの幼い王子の命も奪う。これって、そういうパニック映画なの?
で、ラムセスはやっとユダヤ人たちに「エジプトから出て行け!」と発令。
ラムセスは腹いせに軍勢率いて殺戮にくる。モーゼは山ルートを決断。たった1人の決断に数万人の運命がかかってる。これは心細い。よくこの男の言うことを信じることができる。
前に海、後ろにエジプト軍という絶望。ああ、海がぱっくり割れるのでなく干潮によって道が現れるという解釈なのか。このアイデアを映像化するための映画だったのか。
デミル十戒で見て知ってる内容展開とまるで違ってた。リドリー・スコットの現実合理的路線。なので旧作見てる人も一度見るべき。
しかしあれだけ大人数が定住できる土地がどこかにあるのか。
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