2022年7月21日木曜日

二階堂ふみ「SCOOP!」(2016)

大根仁監督脚本の「SCOOP!」(2016 東宝)を今になってやっと見る。1985年の原田眞人監督脚本によるテレビ映画「盗写 1/250秒」を原作とするらしい。それってつまりリメイク?

主演は福山雅治。50を目前にした時期の主演映画。福山は自分が学生のころからずっといろんなものを見てる馴染みのある俳優。だが音楽はあんまり聴いてない。
今回はどちらかというと二階堂ふみを見るために見たという感じ。
これ、公開当時にあんまり良い評判を聞いてなかった。いずれ見ようと思ってたらもう6年経ってた。テレビ朝日、アミューズ、オフィスクレッシェンドの制作。音楽は川辺ヒロシ。

主人公カメラマン都城静(福山)は伝説的スクープをモノにしてきたが今では芸能スキャンダル専門パパラッチ。借金まみれ酒まみれの荒くれ自堕落中年男。絵にかいたような昭和エロおやじが言いそうなゲス会話ばかり。それは悲哀。
この映画、開始早々からフルスロットルで下品なカーセッ○スの性的艶声が大音量で流れるので注意。
福山がデカい声で「処女!」とかそんな言葉を吐くのも注意。

写真週刊誌「SCOOP!」の部署にいわれるがままに配属されてきた新人素人記者行川野火(二階堂ふみ)の私服姿がヒップホップ。キャップはいいけど職場でチュッパチャップス?それは痛い。
副編集長吉田羊「雑誌はどこも苦しいけど新人記者を育てないとグラビア雑誌になってしまう」そういえばそんな雑誌だらけだ。

夜の東京の街がこれでもか!と性と欲望の街。東京は怖い場所。
福山の盗撮とネタ取りのテクニックと嗅覚。芸能人オーラの車はとりあえずナンバープレートをチェックとか。
もう終電がなくなるから帰りたい二階堂に福山「カタギが寝てる間にころがってんだ。俺たちの食い扶持は!」
コンビニ惣菜パンは真夏でないかぎり一週間過ぎても吐いたりしないと思う。

福山と二階堂、コンビを組んだけどしょぼいネタしかない。芸能人スキャンダルは二階堂を使って正面突破するしかない。で、まずまずの記事になる。リリー・フランキーは毎回こういう情報屋役。

次のターゲットはイケメン若手与党政治家斎藤工。巨乳女子アナとの不倫現場を押さえること。
SPがいっぱいいる状態でどうやってふたりきりの証拠写真を撮るのか?作戦Hってそんなこと?そんなに上手くいくのか?と思ってたら永田町でカーレース。だからベンツなのか。
首都高トンネルで花火砲とかこどもっぽい展開。「ハリウッド映画かと思いましたよ!」こんなことしたら逮捕されないか?

このコンビはつぎつぎとゲスイ芸能スキャンダルネタをつかんでいく。スクープ連発。顔のしっかり見える写真を撮るテクニックってこういうものか。なんか映画としては都合がよすぎる。
スキャンダルネタをつかんだら、新人からずっとうちでグラビアやってるアイドルで事務所との関係でボツとか。写真週刊誌あるある。写真週刊誌の社員たちがみんな最低下品。

芸能ネタから事件ネタへ復帰するように副編集長から尻を叩かれる。注目の少年事件の犯人の現在を撮るにはどうすれば?という会議で過去の有名事件座談会みたいになるところかまったく品がない。

リリーが実は最強ボクサーとかマンガみたいに都合がいい。後ろからナイフで刺されたりしないほうがむしろ違和感。やっぱりほぼマンガ娯楽作。

芸能ゴシップを追いかけることは賤業で少年殺人犯の顔をあの手この手で撮影することは尊いことなの?
警察がぴりぴりしてる現場検証の現場でどうやってあの廃車置き場に入り込めたのか?
バレずに写真が撮れるのか?と思ってた。マタギと羆か。え、そんなことで?偶然にいい写真が撮れ杉。警察もがんばる方向が間違ってる。
タイトルのわりに社会性皆無、サスペンス要素も皆無のバカ映画。しかも福山と二階堂のサービス官能ラブシーンも盛ってくる。

このまま終わったら脚本として酷いな…と思ってたら、薬物リリーが狂う展開。こんなやつを野放しにするな。まるでブラジル、メキシコで見るような風景。借りがあるにしても福山の行動はおかしいにもほどがある。警察もおかしい。発射した銃弾はしっかり数えろ。

軽いバカ映画が最後の最後で重苦しい。不良中年男は死ぬしかないと言ってる映画。
マスゴミの権化みたいな滝藤が意外にまともだった。感動の独白かと思いきや、性風俗店の想い出話。どこまで下品なんだ。こんなんで感動できるか。てか感動とかいらない。ダメだこりゃ。
主題歌はTOKYO No.1 SOUL SET feat.福山雅治 on guitar「無情の海に」

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