2022年7月9日土曜日

Kodak Brownie Hawkeye で撮る

本当に久しぶりにフィルムカメラ記事を書く。というのもKodak Brownie Hawkeyeというカメラを手に入れたから。

昨年の1月頃にハードオフをよせばいいのに物色してこいつを発見した。もうフィルムカメラはこれ以上増やしても管理できないので買うつもりなかったのだが、いわゆるボックスカメラというジャンルに触れたことがなかったのでつい買い求めてしまった。

それにしても状態がよくない。500円でも高いと思った。しかし、その値段でこんな古いカメラに触れることができるのなら…と思い買ってしまう。

コダック・ブローニー・ホークアイというカメラは1949年から1961年にかけてイーストマン・コダック社が製造したベークライト製ボックスカメラ。安価だったために多くのアメリカ家庭にこいつがあった。
前面のアルミ板が腐食してて汚い。何よりネームプレート部の退色劣化が激しい。土にでも埋まっていたのか?というレベルで汚い。
暗室部とシャッター部の結合部分が一部欠けている。なのでエポキシ樹脂で補修した。シャッター機構も簡単なつくりなので一部手直し。

ちなみにシャッターはは1速でだいたい1/30から1/50だと言われている。バルブ撮影モードも選べる。絞りはf/15相当らしい。そして固定焦点。

暗室部を取り外すとこんなネームプレートが出現。ニューヨーク州ロチェスターの工場で製造された個体だということがわかる。4桁のアルファベット記号が書いてある。こいつはカメラウィキ情報によれば、製造年を示すものらしい。規則にしたがって解読すると、自分が手に入れた個体は1956年の9月頃に製造されたものらしい。
1956年というと昭和31年。フルシチョフがスターリン批判を開始した年。ハンガリー動乱があった年。日本では売春防止法が公布された年。
ちなみにコダック・ブローニー・ホークアイはブローニーフィルムを使用するのでなく、Kodak社の620フィルムを使用する。だが、そんな判はとっくの昔に製造中止。このカメラを使うには工夫が必要。なぜならブローニー版はやや大きくてそのままではフィルムを装填できないから。

ブローニーフィルムのスプールを一部切り削ることでなんとか強引にフィルム装填することができる。赤窓を見ながらフィルムを巻きとって送る。スマホで写真を撮ってる人からすると、とてつもなく不便。なにしろ70年前のカメラ。使いこなすには工夫と苦労が必要。
で、このボックス押すだけカメラは、スティーブン・スピルバーグ監督の「インディ・ジョーンズ / クリスタル・スカルの王国」(2008)において、インディ三世が両親の結婚式を撮影するべく構えていたカメラとして登場。
あまりに見た目がボロいので、ネームプレート部分を印画紙にプリント、切り貼り。この状態で試写に持ち出す。こいつを片手にぶらさげていてもカメラには見えないはず。
仕様フィルムはKodak エクター100(現像とデータ化はトイラボさん)
フィルムの使用期限を切れていたのと、撮影から現像まで1年以上放置していたせいかもしれないが、赤みを帯びている。
このカメラのウェストレベルファインダでは適切な構図フレーミングを得ることは難しい。水平性を保てない。

ブローニーフィルムは高価なのに3枚も撮影に失敗した。しかも多重露出もしてしまった。
出来上がった写真もそれほどでもない。このカメラに次にフィルムを通すのは数年後かもしれない。

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