2022年7月23日土曜日

新垣結衣「鎌倉殿の13人」(2022)

今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は発表があったときから楽しみにしていた。
なにより戦国時代には飽きていたのでそろそろ吾妻鑑とか太平記だろと思っていた矢先に、なんと主人公が北条義時という大河が見られるとは!しかも脚本はあの「真田丸」の三谷幸喜だ。きっと面白くなるに違いない。

しかもさらに新垣結衣がそのキャリア史上初めての大河ドラマ出演。結婚後初となるドラマ出演。話題にならないわけがない。
役名は八重。自分、源頼朝が北条政子と出会う以前に地元の土豪の娘に男児を産ませていたことは知っていた。だが名前は知らなかった。父は伊東祐親?そうだったのか。

戦国時代になっても妻は正室側室に関わらず出身氏族の名前しか知られていないケースが普通。八重という名前は誰かの創作?と思ったら、同時代の物語資料には名前があるらしい。
きっと4話5話あたりでいなくなるキャラだろうな…と思っていたら、なんと北条義時と再婚して泰時まで産むという設定になっていた。三谷幸喜はいろんな説を取り込んで絶妙に配置。

都からやって来た高貴な人物に振り回されひどい扱いを受ける。奪われた子もきっとどこかで生きていると信じていたら、いなくなって早々に殺されていたことを知るという、超絶薄幸のヒロイン。なんと悲しい。
「鎌倉殿」が視聴者の予想以上に殺伐とした内容。登場人物のほとんどが不幸になるドラマ。
新垣結衣の八重は各クライマックスで活躍。政子との女の闘いだったり、頼朝挙兵の現場に立ち会ったり、天然義時とのラブだったり、木曽義高を逃がす現場にいたり、ほぼヒロインとして序盤を引っぱった。

ガッキーは十代のころから真ん中分けロングだった。時代劇では地毛のまま出演可能。以前からなんで大河ドラマにでないのか?と思ってた。今回、やっとしっくりぴったりくる役に巡り合えた。
だが、第21話で突然死がやってきた。川原で子どもたちと遊んでいたら子どもが水の事故。かつて息子を殺された記憶がフラッシュバック。あまりに急な暗転に誰もが絶句。日本中でため息。

子どもを助けた次の瞬間にはもう姿が見えなくなっていた…という、急に影がさしたかのような展開と演出だった。こういうのリアル。昔は(今も)よくあることだったに違いない。

新垣結衣の演技で感心したことはこれまでなかった。ライトなコメディドラマが多かったから。だが、このシーンで新垣結衣はこれまでの女優キャリアで培ったすべてをぶつけた。素晴らしい存在感だった。
ガッキーは十代から二十代後半までずっと太陽のような笑顔で人気。三十代中ごろにさしかかり、さすがにいつまでもカワイイというわけにはいかない。今後はどう女優業に向き合っていくのか。
あまり仕事を詰め込んでいない…と思ってたら、「GHOSTBOOK おばけずかん」という映画が7月22日から公開中。

1 件のコメント: