2022年6月29日水曜日

とんかつDJアゲ太郎(2020)

「とんかつDJアゲ太郎」(2020 ワーナー・ブラザース)を見る。ようやく重い腰を上げて見る。自分はまったく知らなかったのだが少年ジャンプ連載漫画が原作だったらしい。
監督脚本は二宮健。脚本で喜安浩平が協力してるらしい。AOI Pro.とフジテレビの制作。
主演はまたしても北村匠海。日本映画におけるもう一人の山﨑賢人。もう何本の映画に出てるのかわからない。

若者たち(円山町のこどもたち)が旅館に集まり騒々しく人生ゲームをやってる冒頭シーンからこれは大人が見るべき映画かどうか不安になる。
主人公アゲこと勝又揚太郎(北村)が双眼鏡で向かいのビルのカワイ子ちゃん苑子(山本舞香)を見てると店(とんかつ)の時間に遅れる。まあ家業に身が入るわけない。怖そうな父(ブラザー・トム)から「店、継がなくていいぞ」
アゲ太郎は就活とかしたくないからとんかつ店を継ぐことを考えてる。

とんかつ弁当を指名してきたDJオイリー(見るからに嫌悪感しかない)に届けるのだが、アゲ太郎はクラブイベントという異世界に足を踏み入れてしまう。
何か素晴らしいものと出会った瞬間の呆然と見てる感じが良い。誰しも身に覚えがある感じ。

DJって何から始めればいい?このアゲ太郎が平均的な音楽知識すらもない。遊び仲間たちも全員クラブDJというやつをよく知らない。ズレすぎ的外れ。ダンスシーンとか日本らしくない意味不明なセンス。

とんかつDJ動画(こんなんバズるか?)を苑子に見せるシーンとか恥ずかしすぎて見てらんない。なんか何もかもセンスがヘンテコで合ってない。
若手人気DJ屋敷が伊藤健太郎。テンション低くてスカした野郎。

DJオイリーの貧乏アパートがまんまTRICKの山田と大家のやりとりみたいだった。
こいつが金に困ってるのに私物レコードは売らない。弟子入り志願アゲ太郎に指導するというていで追い出されたアパートにあった私物を仲間の居場所に運び込む。これでこいつは居候として上がり込んだ。アゲ太郎はDJKOOのビデオでさらにズレていく。
DJオイリーはギャラもらってクラブイベントで皿回してるのでいちおう人気プロDJらしいのだが。
師匠は教えない。周囲も困惑。見様見真似だけでアゲ太郎は何かをつかんでいく?!

北村くんの動きと所作がすごく本物DJっぽい。けどフロアのテンションだだ下がり。見よう見まねの限界か。中途半端に現実をぶっこんでくる。イベントとして窮地。
だが、伊藤健太郎くんがいい感じにアゲてくれる。現実は甘くない。師匠も「あんな素人出すなんて!」とイベント主催者に怒られる。見ててすごい悲しい。
アゲ太郎は落ち込む。同じ渋谷でも華やかな世界と円山町では差がある。青春映画として最初の挫折。クラブイベントに来てるようなスカした野郎と女どもはやっぱり嫌なやつら。

妹(池間夏海)が自分の知ってる池間よりも顔が地味になってる。幸薄顔になってて驚いた。大人になってしまったのかもしれない。
山本舞香は顔が派手。都会のカワイ子ちゃんという役にぴったり。この子がかけるレコードは何だっていいにきまってる。

「アゲ太郎くん、まんまと僕もアゲられたよ」まじか。なんだこの映画。

どの層に向けたものなのかわからなかった。この映画で笑えた視聴者っていたのか?中学生ぐらいまでならこれでいいのかもしれない。
少年ギャグマンガを実写化するとこれなるだろうなっていう映画。都合よく唐突。趣味と仕事を両輪として高め合う。それは理想。
主人公の成長を描いた真面目な青春映画。とんかつとDJを組み合わせた一見ふざけた映画のようでいて真面目。笑いよりもちょい暗い気分にもなった。

北村くんの無駄遣い。どこか東南アジアの国の映画のようにも思えるほどセンスが違った。
でもとんかつは美味しそう。高級料理なのでそうそう食べられない。家族経営の店があんなに毎日盛況ならいい商売。

主題歌はなんとブルーノ・マーズ「ラナウェイ・ベイビー」
音楽でアゲればそれでOK

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