2022年4月23日土曜日

スピルバーグ「宇宙戦争」(2005)

トム・クルーズ主演、スティーヴン・スピルバーグ監督の「宇宙戦争」(2005 パラマウント)を見る。脚本はジョシュ・フリードマンとデヴィッド・コープ。ドリームワークスの制作。音楽はジョン・ウィリアムズ。
まだ一度も見たことがなかった。BSでやっていたので録画しておいたものを今回初めて見た。自分は知らなかったのだが、原作がH・G・ウェルズ。まだウェルズを1冊も読んだことがない。

港湾貨物クレーンオペレーターの主人公レイ・フェリエ(NYヤンキース帽)は離婚して一人暮らし。離婚した妻(すでに再婚して妊婦)がボストンの実家に行ってる間、子どものロビー(高校生?)とレイチェルを預かる。
息子が予想以上に大きい。難しい年ごろで父と再会のハグもしない。幼い妹レイチェル役がダコタ・ファニングだ。父トム・クルーズがやたらにやけて陽気な印象。
息子はボストン・レッドソックスのファンなのかよ。アメリカの高校生はレポート課題をタイプして提出しないといけないのかよ。

世界では磁気嵐による停電が相次いでいるニュース。地震によって発生したパルスで停電?
やがて巨大な黒い雲と風。同じ場所に落ち続けてる奇妙な稲妻を目撃。街が停電。家電や自動車の電池も腕時計も機能しなくなる。
そして地割れ。地中から巨大三脚歩行機械トライポッド出現。人々はなぜすぐにできるだけ遠くに逃げない?(スマホもなくテレビラジオもないと状況の把握すらもできない)
光線で次々に人々を殺害。町を破壊。モンスターパニック。最悪なエイリアン。
すべての車はコイルがやられてることは分かったのだが、交換したコイルの在庫は無事だったのか?

逃走する車を撮影するカメラが車の周りを回ってる。幼女がスクリーム音を出す。とにかく事態がひっ迫。何が起こってるのかもわからない。妻と子どもたちの家に逃げ込んでもそこに電と爆風。周囲には飛行機の残骸。
娘がトイレに行きたいと言い出す。川を大量の死体が流れているのを目撃。これは子どもにとってトラウマ展開。

フェリー乗り場が惨状。こういうとき群衆のいる方に行ってはいけないという教訓。アメリカ人にとって非常時の略奪は普通。だから銃が要る。

踏切を通過する電車も燃えている。人々は絶望のなかフェリー乗り場へ向かう。どこに行っても奴らはいる。
アメリカ人は一般市民が逃げ惑う戦争を経験してない。まるでホロコースト映画のような雰囲気。
フェリーに乗り込んだとしてもタイタニックや洞爺丸の運命。波間を漂う人々をエイリアンは捕獲。とにかく残酷なパニックホラー映画。(どうしたって現在進行中のウクライナでのロシア軍の残虐行為を想い起す)

軍の兵器では侵略者を防げない。攻撃ヘリや戦闘機も一方的にやられっぱなし。息子か娘かという切迫した状況。敵と戦う気盛んな息子ロビーと生き別れ。絶望は人を死に向かわせる。

 レイとレイチェルは空き家の地下室へ避難。そこで中年救急車運転士と合流。
地下室に入ってきて様子をうかがうエイリアンを目撃。そこで大人同士がいがみ合ってどうする。このシーンが見ててよく意味がわからない。なぜ敵をショットガンで撃たない?
侵略者が持ち込んだ赤い植物の栄養分が人間の血液?!運転士は錯乱。レイは運転手を始末する。もうヤメテ!という最悪な展開の連続。

そして娘は捕らえられる。レイは破壊された装甲車から手榴弾をゲット。トライポッド内に投入するとアッサリ敵を破壊。エイリアンのエサになる大ピンチを逃れる。
ボストンにたどり着いたレイは赤い植物が枯れていることに気づく。鳥を見てトライポッドがシールドを張れなくなっていることに気付く。そのへんの事に気づくのがレイただ一人って、軍はどんだけ無能なんだ。軍が対戦車砲で攻撃するとトライポッドは簡単に撃破。

え?!エイリアンたちは死んでいる。感染症か何か?わかりずらい。
てか、米軍を無双するエイリアンがなぜ未知の感染症対策をしていない?人類が逆に感染症でやられてた可能性もあった。奇しくもエイリアンが蝙蝠に似ていた。
あと、この映画を絶望ラストに置き換えたのが「ミスト」(2007)じゃないのか?と思った。

敵を最初に倒したのは大阪人らしいのだが、倒し方のヒントをつかんでいく様子などは描かれていない。そこ、もっと爽快に描けなかったのか。レイが腕利きクレーンオペレーターという設定もエイリアンと戦うシーンで活かせないのか。
あと、あれだけ大量殺戮と極限状況があったのになんで主人公家族は全員無事なんだ。今ウクライナで起こっていることはこのぐらい酷いかもしれない。

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