2022年4月22日金曜日

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか(1984)

劇場版「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」(1984 東宝)を見る。昨年大晦日にBS12トゥエルビでやってたので、「ひょっとすると名作かも」「いずれ見るだろう」と録画しておいた。
監督は石黒昇と河森正治。脚本は富田祐弘。1982年から83年にかけてテレビ放送されていたスタジオぬえ制作の「超時空要塞マクロス」の劇場版。

自分はマクロスをなんとなくしか知らないのだが、80年代はじめには「機動戦士ガンダム」と人気を二分するほどだったらしい。飛行機が変形してロボットになるのは今日にいたるまで子どもたちの夢。マクロスは後にシリーズ化してるらしいのだが自分はこの手のアニメに何も詳しくない。テレビシリーズを見ていない状態でこれを見る。

ストーリー設定が壮大なスケール。2つの種族の抗争に巻き込まれた地球。とりあえず戦艦は冥王星軌道へ避難。地球へと帰還しているという設定。
この戦艦が人口5万の街。内部は「ブレードランナー」のようなネオン街と人混み。しかもリン・ミンメイとかいうアイドルコンサートもやってる。

作画センスはやはり80年代という気がする。声優の喋り方も80年代という気がする。
羽田健太郎さんの音楽がクオリティ高い。

敵からの攻撃を受ける。そこは戦争慣れした人々。臨戦態勢。巨大ロボットを操縦する宇宙人が内部に侵入してくる。
宇宙船は巨大ロボットに変形する。そしてメカとメカが宇宙空間で空中戦。宇宙での先頭に飛行機である必要はない。しかしジェットのエネルギーは?戦艦内部の重力はどうやって?
街頭のテーブルや椅子がふわっと重力を離れる。その辺のセル画の作画がとてつもない。

主人公パイロット少年一条輝は戦闘中に持ち場を離れた行動をオペレーターらしい若い女(じつは上官)に非難される。なぜにお前に指図されないといけないのか?こちらの判断で頑張った成り行きでそうなってる。
少女の転落をロボットが手で受け止める。危機一髪を救う。この感じでは1回の戦闘で多くの民間人が犠牲になっているに違いない。それが戦争。
主人公パイロットとアイドル歌手リン・ミンメイは暗闇の区画にふたりで閉じ込められる。なぜかお色気ラブコメになる。全裸シャワーシーンもある。これも80年代らしい。
このシーンでの演技が今の水準ではとても下手に感じる。聴いていられないw このふたりがバカっぽい。

エイリアンたちは人間の文明を極度に恐れる。男女が一緒に暮らしていることが奇異に映ってる。人類はエイリアンに比べるとマイクロサイズ。
見ていてジェイムズ・P・ホーガンのハードSF世界を連想。

ラブシーンごっこをして遊んでいるところを発見される。3日間ずっと2人で閉じ込められていたことを芸能マスコミにスクープされる。宇宙船の中にも芸能マスコミがあるのか。この宇宙船はいろいろな人種がいる。

厳格な上官早瀬(若い女)からひどく叱られる。だが、リンを救ったということで関係各所からの要望でお咎めなし。
上官ロイ・フォッカー少佐の声が神谷明さんだ。その恋人クロ―ディア(黒人)が野比のび太の声優小原乃梨子さんだ。

その後はお忍びデート。若い軍人とアイドル歌手。軍用機にリンを乗せてデート。やはりバカっぽい。宇宙戦争中だというのに人々は自由を謳歌してる。その間にMVのごとくリンの持ち歌が流れる。
単独飛行中に敵機からの攻撃。交戦しようとしたら訓練機で銃火器がないのかよ。
体育会系のセンパイのような風を吹かせるロイが戦闘に加わるのだが、みんな捕えられる。地球人類について尋問される。「なんで男と女が一緒にいる?」「なぜ相互に戦わない?!」
キスというものをして見せろと強要される。リンはマネージャーとキスするのだが、それを見た巨大異星人たちはビビる。そこに女族異星人が襲撃。そのすきにリン以外は逃げることができた。
ロイ・フォッカーさん、輝の私用に巻き込まれて死亡。酷い。輝はもっと反省しろ。
巨大宇宙人たちが何やらラテン語っぽい響きの言語を話してる。そのたびに字幕がでる。向こうは向こうで地球人類の分析を始めている。抗争する2つの種族には「文化」というものがない。文化に接するたびにビビる。

輝と早瀬はどこかの惑星に不時着遭難。早瀬上官がいわゆるツンデレ。命令を聴こうとしない輝に代わって戦闘機を操縦しようとして砂浜につっこむ。だがそこに地球艦隊の残骸。ああ、ここは地球だったのか。東京も滅亡してた。どこへ行っても人がいない。絶望しかない。
早瀬さんはメンタル弱ってめそめそするしかない。
「生き残ることも軍人の使命」と、奇怪な魚を放射能中和剤で食べるように説得するも、「もうそういうのいいから」と投げやり。一方バカ男は明るいバカのまま。

ふたりで廃墟探索していると、残骸のコンピューターが人類と男族と女族の秘密を話して教える。そして海底から都市が浮上。アーサー・C・クラークみたいな人類の壮大なドラマみたいになってきた。
ふたりだけで生活しているうちにデキてしまう。しょうがない、他にすることがないんだから。

すると突然空からマクロスがやってきた!地球への帰還。地上とマクロス、時間の進み方が違うのでは?同じような時間経過で再会してる。ふたりはロイの戦死を報告。
マクロス内部では巨大スクリーンに歌うミンメイ。ここにもブレードランナーの影響が?

そして地球に女族メルトランディの襲来。さっきまでふざけてトークしていた仲間が突然撃墜され爆死。兵士の命は軽い。
だがそこに突然ミンメイの歌声。狂暴なアマゾネス女族の戦闘レベルが低下?!そして男族ゼントラーディから和平交渉を持ち掛けられる。その式典にリン・ミンメイ?!離れ離れだったふたりの再会。

だが輝と早瀬のふたりがデキていることを察したミンメイは、失恋に傷つきその場を去る。やっとミンメイを探し出した輝は歌詞を渡す。そんなものを歌ったって勝てる見込みなんてない!どうせ死ぬなら一緒にいたい!

だがミンメイは決意の歌唱。「愛・おぼえていますか」が、メルトランディとゼントラーディの最終決戦の戦場に流れる。ステージが神楽殿。それはまるで朝廷のおこなう調伏祈祷。
「マクロス」ってこんな感じだったのか。それほど期待もしていなかったが楽しめた。展開が速くて退屈しなかった。
作画スタッフの筆頭に庵野秀明の名前がある。偉大な先人たちからこういったセル画アニメの伝統と技術を受け継ぎ、次の世代の「エヴァンゲリオン」へと受け継がれていったのか。

我々も文明世界を守るために、一刻も早くプーチン帝国を討ち滅ぼさないといけない。

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