2022年4月21日木曜日

第9地区(2009)

「第9地区 District 9」(2009 MGM)を見る。やっと見る気になる。監督脚本はニール・ブロムカンプ。この映画は舞台がなんとヨハネスブルグ。アメリカ、南アフリカ、ニュージーランド合作映画。日本での公開は2010年。

1982年、南アフリカ・ヨハネスブルク上空に巨大宇宙船が突如出現。これがただ上空で静止してるだけで何も起こらない。人類は宇宙船に穴を開け内部に潜入。おぞましい姿の大量のエビ状エイリアンを発見。どうやら栄養失調状態?まるでゾンビ。
そのへんの説明がニュース番組のインタビュー映像形式。けど、その宇宙船をずっとそのままそこに放置しておいていいのか?

エイリアンたちは「第9地区」で超国家機関MNUによる隔離監視下へ。この難民キャンプがスラム化。
エイリアンがなんでそのまま地球の地上に住める?なんで英語が通じる?
やがてエイリアンと人間の間で衝突。このエイリアンが獣のようにずる賢く粗暴。これはもう駆除すべき獣害では?

そして28年後、増加しすぎたエイリアン(卵で増殖)をさらに隔離区域である第10地区に移住させることが決定する。
MNUの偉い職員であるヴィカスがエイリアンの立ち退き要請の同意を得るため第9地区内部へ。スラムはさらに治安悪化。闇取引でナイジェリア人が幅を利かせる。

ヴィカスがどう見ても軽薄ダメ男。いかにも小役人の口調。最下層を相手にした仕事が楽しそう。危機意識があまりない。こんな男の下では働きたくない。
だが、アメリカや欧州の福祉局はこんな口をきくのかもしれない…と想った。この状況で違法か違法じゃないかは関係ないだろ。

西洋人にとってアフリカ人同士の抗争はこう見えてるんじゃないのか?と思った。たぶん、英米にはナイジェリアやソマリアがこういうイメージで見えている。
以後、まるでマンガのような展開。ずっとコントに見えてた。昔からある古典的なB級パニックホラーSF映画。

しかし、ホラー映画として美術と視覚効果において感心した。感染後に立場が逆転したヴィカスに与えられる恐怖と絶望。ほぼカフカ「変身」。その周囲の偉い人たちの軽薄ぶりの描き方にも感心。人間の差別意識を突きつけられる。

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