2022年3月9日水曜日

浜辺美波「約束のネバーランド」(2020)

「約束のネバーランド」(2020 東宝)をやっと見る。監督は平川雄一朗。脚本は後藤法子。白井カイウ原作による週刊少年ジャンプ連載漫画の実写映画化作。ようやく重い腰を上げて見る。

正直人気漫画の実写といわれても、その漫画を全く読んでいない自分としては何もわくわくしない。日本人少年少女に金髪カツラをつけて西洋人っぽい名前をつけて演技させるコスプレ劇は軽いコメディ作なら受け入れることができるけど、それでガチシリアス作ってどうなんだ?あと、平川監督作で今まで何かピンとくるものがない。

英国風の寄宿スタイルの学校ふうだけど孤児院のようだ。笑いの絶えない明るい集団生活。金髪浜辺美波エマが他の子どもよりもかなり年長。この学校は年齢幅が大きい。
IT端末で学習のようなことをしてる。ということはSF?

浜辺エマと板垣李光人ノーマンによる子どもを演じたやりとりが見ていて恥ずかしい。こども体型の浜辺であってもこども役は無理がある。
やはり子ども向けのようなクオリティとテイスト。それはポスタービジュアルを見ればわかること。
急に恐ろしい雰囲気になる。この孤児たちは食用に育てられているって?!
ある意味もうひとつのミッドサマー。優しい家政婦のようなイザベラ北川景子が戦隊ヒーローシリーズの悪女っぽい作り笑いを浮かべる。

浜辺と板垣の謎解きサスペンス。ものわかりが速い。あまり大人が見るべきような映画の雰囲気がないが、脚本演出がわかりやすいのは良い。子どもが食用肉という設定は異常だが。和牛生産業者とかこれをどう見れば?子どもに見せられない。

レイ役が城桧吏。このレイというキャラは冷徹でかなり賢い。物の見え方が他の子と違う。だが、浜辺板垣とはかなりテンションと空気感の違う見劣りのする演技をしてる。セリフもギリ。この子と浜辺は同じ年ごろのこどもに見えないだろう。
ノーマンとレイの駆け引きが見どころなのだが、城のセリフ回し活舌がまだ役に追いつけていない。本来の設定の年齢であればこどもなんだからこの喋り方のほうがリアルだが、浜辺板垣が達者なのでギャップが大きい。もどかしい。

シスタークローネ渡辺直美が初登場シーンから明らかにお笑い芸人。イザベラ景子と体型と顔の大きさがまったく違う。このふたりのやりとりが面白い。戦隊ヒーローの悪人たちが見せるユーモアシーン。渡辺がいなければ暗くて怖いだけのホラーになっていた。鬼ごっこシーンがコナンとジムシーが野生のブタを仕留めるシーンを連想。
浜辺は子役時代からこんな役をがんばって成り上がった女優。さすがにどの場面でも適切にエマだった。浜辺はずっとこの衣装とカツラでいいとすら思う。

出荷される子牛たちの絶望的なレジスタンスと駆け引き戦略。そして大脱走。このアイデアは残酷世界のサスペンスホラーとして新しい。

見ていていろいろ惜しいなと思うけど、子ども向けだと思って見れば許容できた。「賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット」よりは駆け引きがあった。視聴者を驚かすストーリー展開のテンポも悪くはないように感じた。
でも、音楽がちょっと普通すぎ。

謎の金髪長髪男松坂桃李が出てきたときはちょっと笑った。いかにもマンガアニメでみるキャラ。松坂はヘンテコな映画にもいっぱい出てるイメージ。
どうせフィクションなら、戦争中の日系人がルーズベルト収容所からみんなで脱走するスカッとするものが見たい。

主題歌ずっと真夜中でいいのに。「正しくなれない」

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