宮崎駿監督のスタジオジブリ作品「紅の豚」(1992)を見る。金ローでやっていたので録画したもので初めて見る。「魔女の宅急便」の次に当たる宮崎アニメ長編作。もう30年前の映画なのか。音楽は変わらずずっと久石譲。
なんで今までまったく見てなかったかというと、ヒコーキのパイロットが豚というだけで映画として持つのか?という疑問からだった。
冒頭から豚パイロットポルコ・ロッソ(森山周一郎 1934-2021)と海賊船(私掠機)との呑気なヒコーキチェイスが始まる。
見ていてなんとなく1930年前後かな?と思って見ていた。この時代は口ひげがあるほうがハンサムとされていた。それにみんな中折れ帽。
あの赤い水上艇はサヴォイアマルケッティかな?と思って見ていた。これも公開時からいろいろと推測と特定がされているようだ。宮崎駿は水上艇が大好き。塗装がカラフル。
歌手のいる酒場。そこにポルコ。この時代の新聞記者は相手の許諾を得ずにいきなりマグネシウム?フラッシュバルブ?を焚いてスピグラで写真を撮る。
この豚はマルコという空軍パイロットだったのだが、魔法をかけられて豚になったという設定らしい。そしてファシスト時代のイタリア。
でも、この物語は架空のパラレルワールド世界のようだ。旅客船に飛行機を格納できる時代はもっと後。
賞金稼ぎのパイロット?私的にヒコーキ同士が決闘のようなことを?!
島の風景があまり地中海らしくない。緑が豊か過ぎる。と思ってたらアドリア海という設定なのか。
ホテル・アドリアーノの未亡人経営者マダム・ジーナが加藤登紀子さんだ。
ポルコはアメリカ野郎カーチス(大塚明夫)にやられた赤い飛行艇をミラノの修理工の元へ運ぶ。この修理工の声がなんと桂三枝さんだ。「そういうのはアジアじゃあブッダに教えを説くっていうんだよ」釈迦に説法というやつだ。
修理費用が莫大。紙幣の山。インフレーション。イタリアは第一次大戦では戦勝国だったのだが得たものはなかった。子どもが見るにはいろいろと説明が必要な気がする。
主翼の素材は木材なのかよ。修理工場のシーンでまるまる中盤。
フィオ・ピッコロという美少女キャラは今までまったく目にしたことがなかった。この小娘が一体どうやって飛行機設計技術を?
あと、男というものは常に女の子のおしりを見ている。
フィオをめぐってカーチスと決闘というクライマックス。結局、飛行艇の闘いを描きたかったアニメ映画だったかもしれない。ヘミングウェイ的な男の世界。
主題歌は加藤登紀子「さくらんぼの実る頃」。この曲は今までほとんど耳にしたことがなかったし知らなかった。ということはジブリ主題歌で一番の人気薄かもしれない。
この映画が公開されたころに日本は不良債権問題からバブル崩壊へ。この映画の舞台も世界恐慌直後。
91年に勃発したクロアチア紛争ではアドリア海のドブロブニクへセルビア艦船が艦砲射撃。
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