原作はフィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」だが、自分は未読。
ずっと酸性雨の降る街がまるでPerfume「Twinkle Snow Powdery Snow」のよう。空中に巨大な飛行船がサーチライトを照らしながら、宇宙都市への開拓移住民を募集広告。ビルには巨大芸者スクリーン広告(強力わかもと)。中東の油田のような炎。これがP.K.ディックの世界観なの?意味不明。
街角で新聞読んでるハリソン・フォード。街の様子が東京と香港を合わせたような未来イメージ。うどん4つ注文するリック・デッカード(ハリソン)に老人が「2つで十分ですよ」と日本語で答える。80年代ハリウッドの珍妙日本イメージ極まれり。
割りばしの木くずを削ってうどんをすすってるとヒゲ野郎がリックを連行。空飛ぶパトカー。
21世紀の初めにタイレル社が開発したネクサス6型人造人間「レプリカント」は知力と体力において人間よりも優れ、宇宙都市での奴隷労働に使役されていた。やがて反乱逃亡。レプリカントたちがスペースシャトルを奪って地球へ密航。面倒な相手ということで、特捜班ブレードランナーを退職したリックは呼び戻されて現場復帰を要請(強要)される。
タイレル社がまるでメソポタミヤの神殿のよう。
瞳孔を観察しながら20問~30問質問しないと相手がレプリカントかどうかわからない?そんなレベルなのか。
ハリソン・フォード刑事が聞き込みする場所がまるで香港か上海のアヘン窟。演じてる本人はたぶんスターウォーズがデジャブしてたに違いない。
ヘンテコな盃で酒。そして蛇。インディー・ジョーンズがデジャブったに違いない。
あと、このサイバーパンク都市ではテレビ公衆電話はあってもスマホはないのか。80年代初頭にイメージした2010年代の未来。
人造人間に4年の寿命しか与えられていない…という設定は後にいろんな映画ドラマでも見た。
反乱を起こすのも当たり前。人間に溶け込もうとするのも当たり前。自暴自棄で生みの親も殺す。むしろ悲哀。
タイレル博士とセバスチャン殺害の報を聞いて、デッカードはセバスチャンの高層アパート廃墟へ。部屋に潜んでいたレプリカント「プリス」を格闘の末に射殺。そしてレプリカントリーダーバッティとの死闘最終決戦。
寿命がつきている中での戦いなので敵に勝ち目はないことがわかってる。憐れな敗者。なんか、敵キャラ造形がドイツ人ぽくて気になった。指を折られてる状態で逃げ場のない高い場所での戦いは絶体絶命。
そしてデッカードはレイチェル(余命いくばくもないはず)を連れて逃げる。え、あのヒゲ刑事はいいやつだったの?
雨ばっかり降る廃墟街のハードボイルド探偵ドラマという感じ。映像と美術造形カットにはそれなりに感心することも多かった。80年代にして街の世界観は完成形。
奴隷労働者を使役するネオリベラルたちもこんな地獄を味わってからしんでほしい。
0 件のコメント:
コメントを投稿