2022年1月11日火曜日

前田敦子「旅のおわり世界のはじまり」(2019)

黒沢清監督脚本映画「旅のおわり世界のはじまり」(2019)をやっと見る。黒沢映画なのに何もいい評判を聞かなかった。前田敦子、染谷将太が出演しているというのに。
ウズベキスタンと日本の国交樹立25周年を記念して制作された映画。制作はジャンゴフィルム。日本公開の配給は東京テアトル。

自分、昔は「地球の歩き方」とかすごくよく読んでいた。ウズベキスタンもいつか行ってみたかったのだが、もうそんな気力も体力も余裕もない。

慌てて出かける支度してる前田敦子。外にでるとそこは異国。どうやら撮影隊に乗り遅れてる。おい、バイクで送ってくれた現地の人にもっと丁重にお礼を言え。
撮影スタッフがみんなテンション低い。染谷将太柄本時生も何も楽しそうじゃない。加瀬亮も撮影隊にいることにしばらく気付かなかったw

黒沢組も普段はこんななのか?もっと楽しそうに仕事しろ。テレビクルーってなんで大学生と変わらない服装なんだろう。
ウズベキスタンの湖にまで取材に行っておいて「めざましテレビ」のリポーターのようなノリの前田。ウズベク人たちに呆れられなかったか心配。

幻の巨大魚は女性の臭いを嫌う?いくらイスラム教の漁師とはいえ、大丈夫かウズベキスタン。たった一人の漁師でレア魚をゲットしようとか無理だろ。
前日に言ってくれないと料理を準備するのムリ。ごねる相手に現金。撮影用に見た目だけでいいと言うけど、生では食レポなんてできない。おい染谷、もっと現地人に気持ちよく接しろ。

そにかく撮影隊の雰囲気が悪い。ヒソヒソ相談してる。車の中で着替える前田を通行人が立ち止まって見る。
どんどん憂鬱に沈んでいく前田。パンフ1枚持ってショートパンツ姿でバザールへ食事に出かける前田。ちょっとのロシア語知識もなければ英会話もできない状態で乗り合いバス。この女をひとりで行動させる撮影隊は非常識。ウズベク人にも失礼。見ていて不安しかない。

そんな内容で大丈夫かこの映画。前田敦子と黒沢組は「セブンスコード」ではウラジオストクで撮影した。そして今回はさらに発展形。足を延ばしてウズベキスタン・タシケント
文化の違い、意思疎通の難しさ。居心地の悪さ。外国に行くなら最低限の予備知識は持って臨め。異国で夜迷子になる不安といったらない。視聴してる側が不安。

回転ブランコアトラクションを何度も撮影するスタッフを現地人が止めるのだが、染谷Dは無視。「彼女は少女でなく大人!」ゲロ吐いて撮影に戻る前田に現地人ドン引き。
80年代以降、日本のバラエティ番組撮影隊は世界各国で問題行動と軋轢を引き起こした。この映画はそれを表現してる?
他人を尊重しない染谷は日本のテレビ人そのもの。染谷Dは現地警察に逮捕されていい。従業員には何をしたっていいと思ってる日本の経営者は国際指名手配されていい。いちど現地警察にボコボコに殴られてみるべき。

結果、この映画を見た多くの人が気分が悪くて低評価。日本のテレビ人の非常識さに呆れて気分が悪くなる映画。「どうしてこの国の人間は融通が利かないの?」いやいや、他人に親切を無理強いしてきた日本が異常なんだって。

さらに前田の一言で撮影隊は異常行動。夜中に街をさ迷い歩いて発見した民家に一匹だけ囲われて飼われてるヤギが可哀想だから草原に解放しよう。まさかその提案が通るとは。そのヤギが飼われてる庭は十分に広いだろうが。
あー、イライラする。この撮影隊と前田には恐怖すら感じる。ホラー映画見るよりストレスがたまる。
前田がふらふらと彷徨しオペラハウスのステージを歩き始めたときは何しとん!と突っ込んだ。だが、そのままオーケストラ伴奏で「愛の賛歌」を歌い始めたときは、ああ、そういう映画なのねとやっと気づいた。「セブンスコード」みたいな壮大な前田敦子PV。
部屋に戻ると無意味に風が吹いたりドアが開いたりするのが黒沢演出。

シベリアで抑留された日本兵はウズベキスタンに送られナヴォイ劇場を作らされた。そのエピソードは映画として価値がある。だが、それはやらないんかい!

結局、前田がカメラ持ってバザール取材。これはゲリラ取材か?猫を追いかける前田。
カメラ持って勝手に歩き回ってたらスパイだと思われないか?と思ってたらやっぱり警官に追われる羽目に。黙って逃げちゃこうなるに決まってる。
旧ソ連国はスターリンの記憶がある。警察に連行される事態は避けたい。日本だって逃げれば手錠かけられる恐れもある。

連行された警察署で東京湾のコンビナートが燃える映像を見る。(東日本大震災かと思いきや違う)
前田の彼氏は東京湾の消防士。連絡がとれない。さらにパニック。このヒロインが完全にノイローゼ。

幻の魚から幻の獣の取材に路線変更。現場の山でまた前田敦子歌唱ショー。この映画はいったいどう見ればいいのか?ますます混乱。自由すぎだろ。

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