2022年1月10日月曜日

スタンリー・キューブリック「時計じかけのオレンジ」(1971)

スタンリー・キューブリック監督の「時計じかけのオレンジ A Clockwork Orange」(1971 ワーナー)をやっと全部見通した。

この映画は学生のとき以来、何度か見ようとしたのだが、反社DQNたちの暴力シーンにイライラして過去2回途中で見るのを止めた。今回、最初で最後のつもりで見た。
原作者はアンソニー・バージェス。原作本(1962)は「ビブリア古書堂の事件簿」にも登場。内容を知らないのもアレだしなというわけで見始めた。

長髪に山高帽に白いサスペンダー衣装がダサイ。ピンク色の肌をした豚野郎たち。無法と命知らずと暴力の狂ったやつら。
ロッシーニ「どろぼうかささぎ」序曲に乗せて暴れまくる。怪しいやつを家に入れてはいけない。主人は拳銃ぐらい所持してないのか。

主人公の暴力青年はわりと裕福な家庭?学校にも行かず働いてもいない。青年はレコード店をうろうろしてる。女たちを部屋に連れ込んで何度も何度も。
(この時代、ソ連は西側の若者を退廃し堕落しきった見本とみなしていた。この映画をみるとそれがわかる。)

殺人で懲役14年。英国の刑務所に収監される手続きシーンがとても興味深かった。有無を言わせず間髪入れず怒鳴るように命令され続ける。向こうは刑務所内で長髪でもOKなの?やたら看守長がキビキビしてる。やたら靴音をガンガン鳴らす。
あとは聖書を読んで妄想の日々。「善良になりたい」新療法を試すと早く出所できるだと?
犯罪者を更生させる方針が新国務大臣になって変更になったらしい。

犯罪抑制のために暴力とセックスにたいする不快感を植え付けられる実験台にさせられる。ドクターたちに瞬きを防ぐ器具をつけられるシーンは恐怖を感じた。

そして立場逆転の終盤。不良少年の憐れな末路を描いた地獄映画だった。

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