2022年1月16日日曜日

古代史ドラマスペシャル 大化改新(2005)

2005年新春に放送された「古代史ドラマスペシャル 大化改新」が昨年末に再放送されたのでじっくり見た。これ、本放送当時にちょっと見た。それ以来で見る。主演が岡田准一と渡部篤郎なことも忘れていた。

池端俊策脚本と片岡敬司演出によるNHK大阪制作で前後編2夜に渡って放送。中臣鎌足と蘇我入鹿を中心に大化の改新へと至るまでの物語。たぶんほとんどが池端の創作。時代考証は門脇禎二(1925-2007)先生。ナレーターは窪田等

少年鎌足が爺に連れられヤマトを目指すシーンから始まる。まるでシベリアのような氷に覆われた吹雪の山道を行く。古墳時代は今よりも寒冷だった。
中臣家は常陸国(鹿島)の祭祀担当豪族という説を採用。
そして成長すると中臣鎌足(岡田准一)は豪族たちの子弟が通う塾で蘇我入鹿(渡部篤郎)と学友。
このドラマのヒロインは車持与志古(木村佳乃)。鎌足のせいで鳩が逃げた!
木村佳乃さんは今ではすっかりヘンテコ個性派おばさん女優。おっちょこちょいのスペシャリストとなりつつある。この当時はまだかろうじて清純派女優。
鎌足は中臣家の嫡男でありながら祭祀儀礼をくだらないと思ってる。そんな中臣家の騒動を見物。
(与志古は後に鎌足の妻となり子を産む。真人と不比等の母。藤原家の祖となる母。)
鎌足は聖徳太子を尊敬している。十七条憲法も暗証。その息子である山背大兄王(山口祐一郎)と対面して感激。(この皇子は後に蘇我によって滅ぼされる。)
鎌足と入鹿は親友。甘樫丘で与志古と3人で楽しそう。恋と青春の日々。
入鹿の父蘇我毛人(蝦夷)原田芳雄。鎌足の父は大杉漣。2000年代のドラマをみると故人となってる俳優たちをよく見る。
宝皇女(皇極天皇)高島礼子。雨ごいで雨を降らせるシャーマン。蝦夷と入鹿とヤマトを仕切る。
父から実権を奪い取った入鹿は増長。戦で民を苦しめる。鎌足が私淑する南淵請安(仲代達也)を反対勢力として蘇我ゲシュタポが逮捕。そして鎌足に請安の殺害も命じる。「入鹿、許せん!」
そして中大兄皇子(小栗旬)が蹴鞠をしていると靴が脱げる。その靴を拾う鎌足。小学生のときから歴史教科書で見た風景。
そして運命の日。飛鳥板蓋宮での三国使節を歓迎する儀式。蘇我倉山田石川麻呂(伊武雅刀)が緊張と汗で震えてしまい上表文をまともに読めず入鹿に不信感。石川麻呂が自分の想像してたのよりも年取ってる。
鎌足の放った矢を入鹿はかわすのだが、中大兄が斬りかかる。そして皇極帝の前で絶命。

このドラマのタイトルは「大化の改新」というより「乙巳の変」が正しい。天皇ご臨席の朝廷で暗殺事件を起こすとか、歴史の勝者にしても犯行グループは非道。鎌足は実行犯なのに入鹿を胸に抱いて慟哭。そんなことはたぶんなかった。南淵請安殺害への恨みも入鹿殺害計画の動機として足されてた。

だが、記録が少なく謎に満ちた人々。ドラマにするためには創作も仕方がないしある程度許される。

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