「サムライマラソン」(2019)を見る。小松菜奈が結婚してしまったので急きょ見る。
原作は土橋章宏「幕末まらそん侍」。この作者の本は1冊積んであるのだがまだ未読。
幕末、安中藩であったマラソン大会「安政遠足」という史実を元に、黒船来航と公儀の陰謀を絡めた、よくあるエンタテインメント娯楽時代劇。たぶん「超高速参勤交代」のようなノリの映画だと想像。
ジェレミー・トーマスの企画制作で、監督脚本はバーナード・ローズ。
なんと音楽がフィリップ・グラス。日本の時代劇にグラスの音楽が合うのか?
そして衣装がワダエミというワールドクラスな日本時代劇映画。
制作はセディックでほとんどの出演者スタッフは日本人。日本での配給はギャガ。
黒船来航とペリー上陸のシーンがあまり映像で見たことのないパターンだった。浦賀の浜辺で幕府大老とバーボンウィスキー?ペリーが軽い。面白おかしく創作したものだろうと推測。アメリカ側からのイメージなの?
キャストが豪華。日本人が見て違和感を感じないどころか、日本人が見ることを想定したキャスト。日本人スタッフが作ってるのだから普通に日本の時代劇。
ビジュアルから小松菜奈はてっきり花魁か何かだと思ってたら安中藩主板倉の姫か。絵師を目指してるが父に認めてもらえないという設定。
小松はあんまり日本髪が似合わない。顔がお武家の娘らしくない。憤怒の表情がほぼ獅子舞。
主人公唐沢甚内は佐藤健。この俳優が時代劇をやるとそのまま「るろうに剣心」。公儀のために密かに安中藩を監視する隠密の家柄。目立たないように武士として日々過ごしてる。妻子もいるがその役目を知らない。
藩主の板倉が長谷川博己。城下は緊急の登城。なんだなんだ?と集まってみたら、攘夷のための士気向上「遠足」開催の下知。
一着の者には望みをかなえる。森山未來は殺気立ってる。染谷将太はだらしなそうだが本命候補?一着にならないように賄賂?
唐沢は考える。単なる「遠足」ではないな…。こいつの報告のせいで重大な事態が起こるのか。
一方そのころ雪姫(小松)は城内を抜け出す。川原にいるところを卑賤な者に襲われる。だがこの姫は武士道の心得が?脇差で制圧するのだが、なぜ息の根を止めない?
姫の着物を持参した男を平九郎(森山)はスパッと一刀両断首をはねる。
姫はいったいどうなった?男装して下級武士の身なり?いや、バレるだろ。江戸を目指すにしても手形もないし関所を通過できない。この姫も遠足に参加。
このマラソン大会参加者がみんな刀を提げたお侍。ほとんどの参加者がべつに一着を目指してない。わりと平和な雰囲気で始まるのだが、武士たるもの最下位になったら大変な事態になるのでは?コースもアバウトだしレフリーもいない。
唐沢が江戸に送った書状を見て五百鬼(豊川悦司)はさらに隠密を派遣。拳銃を持ってる。不穏な雰囲気。
登場人物たちがあまり声を張って喋らない。お侍らしくない。みんなバテバテ。やたらゲロ吐くやつもいて汚い。
それぞれに思惑があるらしいのだが、レースの状況がよくわからない。コメディなのかシリアスなのか。
誰が一着になるのか?少年から初老の者までチキチキレース?という楽しい展開を予想してたらまったく違った。市を挙げてのマラソン大会開催中にテロ戦争?
サムライらしくない男がリボルバー拳銃を訓練もしないですぐ使いこなせるのか?拳銃の弾を何発無駄に撃つんだ。
熊が出たり、裏切りとか、谷底に転落とか、演出がよくわからなくてストレスがたまる。
あんな少人数で藩を襲撃する側も命知らずすぎだし憐れだろ。
あの殿様は一体何なんだ?こいつのきまぐれが大迷惑。なにが新しい時代だ。
キャストは豪華。良いカットが撮れていた。だが、正直面白くない。結果、見てよかったことはない。タイトルが合ってない。期待したものが出てこない。珍味すぎた。
格キャラの膨らませ方はいかにもハリウッド。脚本がダメだと感じたが、それはつまるところ原作もつまらないのか?雰囲気黒澤映画みたいなものを作りたかっただけなのか?
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