日向坂46のドキュメンタリー映画「3年目のデビュー」(2020 TBS)をやっと見る。製作企画監修はもちろん秋元康なのだが、なぜか制作と配給がTBS。いったいどうして?けやき坂、日向坂と何の関係が?
監督は竹中優介。コロナのせいで春休みの公開予定が夏休みに公開になった。
今現在、日曜夜の坂道深夜番組三部作で一番雰囲気がよく明るく楽しい番組は「日向坂で会いましょう」なのは明らか。一番面白い率が毎回高い。それはオードリーの貢献でもあるのだが。
だが、この映画はぜんぜん見たいと思えなかった。日向坂前史が開始30分ほど続く。最初から欅坂とひらがなけやきに区別と差別があったことを視聴者に意識させる。
正社員と派遣社員、フルタイムとパートタイム、生え抜きと中途採用、どういう形態でそこに入ったかによっていろんな格差と差別。そんな日本の現状をしたくなくても認識せざるをえなくなる映画。
「私たち、いる意味ある?」なんて哀しい言葉なんだ。
でも、すでに大人気グループ創設メンバーと、後から入ってきたメンバーに人気の差があって当然。幕張での握手会列に明らかな格差があっても当然だが、そこをくっきり鮮明に映すなよ。
大手ソニーの手掛ける人気アイドルオーディション受けて、そこに乗っかるつもりだったのに、研修生別動隊という扱い。下手するとそのまま終わるかもしれない…。
長濱ねるを最初から欅坂に普通に入れてればこんなことは起こらなかった。ねるが気の毒。たぶん誰よりも苦悩したのはねる。
ねるの受け皿としてひらがなを募集して、その後のプランが何もなかった。何もイメージできてなかった。コンセプトもなかった。これは全部秋元と今野と運営が悪い。
佐々木久美と加藤史帆は一番敏感にそのことを感じ取って苦悩したに違いない。
初ワンマンZeppにぶっつけ本番で参加させられたねるが気の毒。表情の冴えなさ具合が酷い。ほぼ泣いてる。周囲の大人はこういうときに声をかけるためにいるんじゃないのか。仕事が好きとか嫌いとかそういう問題じゃないだろ。
だが、運営側も探り探りでどうしたらいいのかわからなかった点で同情はする。
不安な中で2期生オーディションがすぐ発表されたのも酷い。ちょっとはメンタルのことを考えろ。
だが、小坂菜緒という逸材が入ってきたことが「ひらがな独立」への最初の発芽。この子は可愛すぎて中学とかで嫌な事がいっぱいあったのではないか?と思わざるをえない。
欅坂平手の怪我で武道館公演がまるまるひらがなけやきに充てられたのは酷い。ひらがなメンバーにとっても、チケットを買っていたファンにとっても。坂道Gファン気質として、漢字欅が出ないなら行く必要ないなんて大声では言えない。そういう微妙な心境を抱えたファンの前に立たされるひらがなけやきはもっとつらい。
長濱ねる兼任解除がメンバーに与えた衝撃は自分の予想を超えていた?本人たちは見捨てられたとすら思ってた?高本「ひらがなファンのほとんどがねるちゃんのファンだった」ってマジか?レッスン室で報告を聞かされるメンバーたちの目が死んでる。
あと、長濱ねるはラストひらがなファースト日向坂コンサートのバックステージを訪問し、卒業の報告をしていたことを初めて知った。急にこのシーンが出てきて絶句した。ねるはひらがなのこれからを気にしてたし、自分の居場所にずっと迷いを感じてたに違いない。ねるの心情を察するといろいろつらい。日向メンバーもねるの元に駆け寄って一緒に泣いてほしかった。
ねると平手を失った段階で欅坂は幹が腐るように倒壊。あれだけ輝いていた欅坂であっても内部にはつねに危機が潜んでいる。
さらに苦しんだのが柿崎芽実。1期生最年少が一番最初に卒業する事態。しかも芸能界を引退。こういうのも卒業と呼ぶのはいかがなものか。
たぶんたくさん傷ついて失望したんだと思う。ひらがなけやき改名のときの反応が明らかに複雑な心境になってる。はしゃいでテンション高い他のメンバーと空気が違う。嫌そう。「わたしは欅坂に入りたかったのに…」
仲のよかった欅坂平手が病んでいった時期、柿崎が平手を癒していってほしかった。
柿崎卒業にわりと時間をさいていたことは評価する。しかし、柿崎の内面にどのような変化があったのか?そこは掘り下げない。
もう最近柿崎のことを思い出すこともすっかりなくなってた。今見ても柿崎を失ったことは大きな損失だったと感じる。宮田とのぶりっ子対決は日向坂の名物だった。「思い出がいっぱいできた…」って、まだまだこれからももっと楽しい思い出がつくれただろうに。
ストーカーが原因で辞めるのであれば、拍手で見送るのはおかしい。芸能界を引退することはない。ストーカー対策に万全の強面の事務所もある。本当の脱退理由は何だったのか?今も謎。
井口眞緒はスキャンダルによって日向坂を去った。その程度のことはぜんぜんスキャンダルとは言えないのだが、坂道Gのファンたちはそういうことに異常に厳しい。たぶん、日ごろ多額の支援をしているので、自分たちを出資者のように考えているのかもしれない。井口は人気もなかった。
そのシーンも唐突にやってきて怖かった。メンバーの前で挨拶があると知らされるその瞬間にメンバーたちはそれを察知する。すごく暗い顔をする。
3期生としてたったひとりで日向坂に参加した上村ひなのをカメラは追う。日向坂がしっかり成長してからの加入は楽かもしれないが、それでもメンタルきつい。なにせ自分だけメンバーたちの話す言語を理解できないし話せない。
東京ドーム公演決定の様子は見てるこちら側も笑顔になった。東京ドーム公演ができるアイドルは別格の存在。
だが、時代はコロナ。乃木坂ですらも開催できない。大規模音楽興行、アイドルイベントもできなくなってしまった。日向坂の行く手にはこれからもさらなる苦難が立ちはだかる。約束の地「東京ドーム」に立つのはいつだ?
濱岸ひより復帰後初ステージの横浜アリーナ公演は小坂が映画撮影で不在。「青春の馬」でセンターを務めた金村美玖の自信に満ち溢れた堂々とした圧巻のパフォーマンスがこの映画の感動クライマックス。
主題歌はけやき坂46時代からの楽曲「車輪が軋むように君が泣く」。自分、この曲を知らなかった。すまん。
あと、ポスターのデザインがダメ。これではまったく見たいと思わない。
そうこうしてるうちにセンター小坂菜緒も病む。心身ともに病む。表情がさえなくなったら、それはすぐにやって来る。周囲の人々は細心の注意が必要。柿崎の前例があるので怖い。
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