韓国映画「リトル・フォレスト 春夏秋冬」(2018)をやっと見る。もちろん日本映画「血リトル・フォレスト」の韓国版リメイク作。監督はイム・スルレ。日本での配給はクロックワークス。
五十嵐大介原作の漫画を映画化した「リトル・フォレスト」(2014-2015 森淳一監督、ROBOT制作)はなぜかアジア各国での評判が異常によかった。なぜ?それは韓国にも飛び火した。
自分がこれを見た理由はリトルフォレストだから。韓国映画を見るのはおそらく15年ぶりぐらい。なので自分は韓国人女優とか俳優は1人も知らない。
冒頭からヒロインが自転車で山の中の道を気持ちよさそうに滑ってるシーンは日本版とほぼ同じ。このヒロインはソウルから故郷に戻ったという設定。ヒロインのナレーションスタイルも日本版といっしょ。
見栄社会の韓国では若い女性は自転車に乗らないという話を聴いたことがあった。田舎ではそうも言ってられないのかもしれない。
冬の寒さが日本以上に厳しい韓国の田舎の家はわりと立派。お腹が減ったら唐突に雪の下から白菜を掘り出して調理する。すいとんを作る。
その辺はわりと日本版と雰囲気が同じ。日本版へのリスペクトを感じる。
え、地方からソウルに出た若者は貧しい食生活を強いられる?
日本も同じような物か。日本も韓国も首都が地方の若者を労働力として搾取しすぎ。
コンビニ弁当のごはんが変な臭いで吐きだす?そんなに不味いの?
ヒロインの母は家を出たまま行方不明?様子を探りにきた田舎の婆さん(実は伯母さん)は無神経で口うるさく品がない。これが韓国の田舎リアルか?ヒロインが嫌そうな顔してる。
このキム・テリという若手女優は韓国女にしては眉毛が濃い。わりとかわいい。
韓国では子どもを置いたまま親がどこかへいくなんてありえないと聞いた。でもこの映画はヒロインが帰ってきたらすでに母失踪という展開。父が死んだ後は、母にとってそこに住み続ける理由もない。
独りで生活したヒロインはソウルの大学に合格し家を出る。韓国の大学受験の過酷さはあまり韓国の事情に詳しくない自分でもよく耳にする。
割とスマホ画面がでてくる映画。スマホ代を払えるのか?家賃はタダにしても光熱費水道代は払えるのか?
松岡茉優に相当する田舎女ともだちが適度にブサイクで気が強い。その分ヒロインの可憐な美しさが映える。
韓国の大学生は家でマッコリを作って友人たちと酒盛りするのか?ツマミはチヂミか。韓国人は食事の時に器を持たないというのは本当だったのか。
韓国の田舎は路上で市場のようなものが立つのか。韓国の農村ではパスタ料理を食べるのか。彩を加えるエディブルフラワーも育ててるのか。
田舎少女がソウルに出て世間もチヂミに削り節をかけて食べていると知るシーンも興味深い。
藤の花をてんぷらみたいにしてるの何?
仕事中にクレーム・ブリュレ食うな。
村には若い男がひとりだけで女ふたりは恋敵?
韓国でもクマの心配しながら栗を拾うの?干し柿吊るすの?
韓国田舎暮らしの様子を見ながら、そんな驚きの声をあげたり、ツッコミをしながら見た。
オリジナルをリスペクトしつつ雰囲気を保ちつつ、ちゃんと韓国ならではのリトルフォレストになっていた。自分はこの映画を評価する。
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