2021年10月6日水曜日

六番目の小夜子(2000)

2000年の4月~6月にNHK教育テレビ(現Eテレ)の「ドラマ愛の詩」枠(土曜18時)で放送されていたドラマ「六番目の小夜子」(全12回)がオリンピック期間中の7月30日から8月1日までの深夜に3夜連続で一挙放送された。放送当日になって知って慌てて予約録画した。

これ、放送当時にVHSビデオテープに録画して見ていた。翌週の放送を楽しみにして見ていた。たぶん各話3~4回は繰り返して観るほどに好きだった。毎回興奮状態で見ていた。

ここ数年ずっとDVDとか配信とかどこかにないかな?と気にしていた。恩田陸の原作小説も読んだ。そんなタイミングでの再放送。たぶん、自分以外の多くの人も同じ気持ちだったんじゃないか?
このドラマは中学校に伝わるサヨコ伝説に振り回される子どもたちを描いた都市伝説ホラーっぽい学園青春ドラマ(?)。

ヒロイン潮田玲は  鈴木杏(当時12歳)。原作小説ではまったく存在感のないクラスメートだったのだがドラマでは主役に抜擢。鈴木が「金田一少年の事件簿」でヒロインを演じるのはこの翌年。
そして謎の転校生津村沙世子を演じたのが栗山千明(当時15歳)。篠山紀信のグラビアでモデルとして有名になり、1999年には「死国」でさらに有名。放送当時からかなり知名度があった。

そして関根秋を演じたのが山田孝之(当時16歳)。これが自分が初めて山田を認識したドラマ。美少年。今とはだいぶ見た目も雰囲気も違う。「白夜行」でさらなるブレイクがこの4年後。「タイヨウのうた」が6年後。10年後の「闇金ウシジマくん」ではすっかりヒゲが濃い今現在のイメージ。

以上3人がこのドラマの主演キャスト。みんな若かった。それぞれ今も活躍中。
だがなんといっても今このドラマが注目される理由は、しっかりものの学級委員長でレイと仲良しのマーちゃんこと花宮雅子を演じた松本まりか(15歳)。この当時の松本まりかが見たくて多くの人がNHKにリクエストしていたに違いない。

松本は30代半ばになってようやくブレイクした女優のように思われているが、自分としては「六番目の小夜子」の段階でブレーク。このころは水着グラビアなんかもやっていた。自分としてはこのドラマキャストの中でいちばんカワイイと思ってた。その後しばらく女優としてあまり見なくなっていたのだが、近年になって再注目は喜ばしい。

そして謎のOB教育実習生佐野美香子役が一色紗英。史上最低のサヨコと言われた「四番目のサヨコ」。とにかく気が強そう。サヨコ伝説にまったく無関心でドライ。ヒロイン玲の必死の要請にも冷たく突き放す。
今の若者は一色紗英をたぶんまったく知らないに違いない。牧瀬里穂、宮沢りえ、観月ありさの3M時代よりちょっと遅れてやってきた90年代前半の美少女アイドル女優。

フジテレビなんかで推されて主演ドラマも作られたのだが、この人は女優としてはほとんどブレイクしなかった。ポカリスエットCMやヤングマガジンのグラビアではすごくよく見かけた気がするのだが、活躍したのはほぼCMだけだった印象。男女からもそれほど人気が出なかった。
もうだいぶ昔に結婚し女優業はほぼ引退?ロス在住で3人の子の母。たまに近況がネットニュースで伝わるぐらい。悠々自適の生活?

佐野先生の中学時代の卒アル写真。これも当時グラビアで短い間活動していた上原まゆみ。この子がその後どうなったのか?まったく情報がない。
バスケ部の部長で生徒会役員の平林さんを演じたのが平田裕香。2000年代前半に水着グラビアで活躍していたことをなんとなく覚えている。ドラマではわからないかもしれないが、かなりグラマラス。
7年後に「ゲキレンジャー」のメレ役としてが一番よく知られているかもしれない。だが、自分は「六番目の小夜子」での活躍しか知らなかった。

黒川先生の村田雄浩、ヒロインのママ 美保純、シュウのママ多岐川裕美、みんな若い。
シュウのパパが古尾谷雅人。(その後、突然の訃報を聞いたときは悲しかった。45歳の若さだった。)
今回見返して驚いたのが加藤役がミュージカルスター山崎育三郎だったこと。加藤は重要キャストだったので顔を覚えていたのだが、まるで今の山崎と一致してなかった。今とまるで印象が違う。20年経っているのだから当然だが。
あと、シュウの弟が勝地涼。自分はこの俳優を初めて認識したのがこの「六番目の小夜子」だった。
ゆりえさんを演じたのが冨士眞奈美。この時代にオバさん役でよくみかけた人だが、最近まったく見ない。もしかすると女優業を引退してるのかもしれない。
このドラマ、サヨコを演じる者は最初から視聴者に明かされている。だが、妨害者、勝手にサヨコのふりをしてる者、黒幕などの存在が示される。なので人狼ゲームを見ているようなドラマかもしれない。

演出がいちいち思わせぶりで不穏なのだが、最後まで見た所でそれほど納得もしないし驚きもしない。ただ子ども視聴者にとっては雰囲気が怖かった。
校庭にいる謎の幼女の存在は一体何なん?
津村さんが不良に絡まれたとき、犬が不良を襲撃するとか、津村さんは完全に超能力者みたいな演出だったのは一体何?

文化祭での生徒会主導の生徒全員参加劇「サヨコ」の演出が完璧!見ていた当時に自分もあの体育館で百物語をやっているような感覚で切迫感と恐怖感を味わった。今見ても感心しかしない。ここは脈拍が上がるし冷や汗。テンポが上がっていくところが良い。
先生役に小日向文世さんが出演していることをまったく忘れていた。
文化祭と生徒会の感じとか「ビューティフル・ドリーマー」を想わせる。日本で中高生を過ごした者だけが体験できたあの感じ。だが、文化祭以降の回がダラダラ長くて退屈。

鈴木杏の演技が他のキャストに対して暑苦しい感じがしてつりあってない。そもそもみんな言う事が理屈っぽく小賢しい感じがして嫌。中学生ってこんなじゃない。

ときどきハッとするような印象的なカットには感心。演出にも感心。
cobaが担当した音楽が当時としては画期的で新しい。絶妙に不気味で怖い。このドラマを強く印象付けた陰のMVP的存在。
今回、このドラマの再放送を企画してくれたNHKの人に感謝だ。ほぼ20年ぶりで見たのに、内容をほぼ覚えていた。それでもあの当時のことをいろいろ思い出させてくれた。

今度は栗山と松本が出演した「お台場ドットコム」(フジ)も再放送してほしい。

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