能年玲奈(のん)にとって6年ぶりの主演映画「星屑の町 Stardust over the town」(2020)を見る。能年の主演映画は2014年「海月姫」以来6年ぶり。
原作脚本水谷龍二。監督杉山泰一。昨年、東北先行上映の後に3月に全国公開された昭和歌謡をテーマにした映画。
大平サブロー、ラサール石井、小宮孝泰。ヒロイン以外はすべて昭和から活躍してる中高年芸人たち。
そして日本映画にドラマによく見る渡辺哲、でんでん、菅原大吉、戸田恵子といったおなじみの顔ぶれ。
この映画は、関西弁を話す売れない昭和ムード歌謡グループが、東北の田舎村にコンサート営業にやって来たことで織りなす、ムード歌謡ショーと幕間の人間ドラマ。
正直、アイドル女優のミュージカル舞台を見に行ったのに、延々とベテラン俳優たちの中高年向けドラマを見せられているに等しい。
能年玲奈が冒頭から登場。かなりクセの強い東北訛をかます。母親がママを務める田舎スナックでホステスをやりつつ、歌手を夢見る能年玲奈がほぼ「あまちゃん」の天野アキ。東京で夢破れて村に戻ってきた設定。あまオタ感涙。
あと、このドラマは菅原大吉さんの東北弁を聴くドラマでもある。そういえば菅原大吉さんは「あまちゃん」では渡辺えりのブティック今野の主人だった。
このヒロインが父親がいない。母親からは「インド洋で船から落ちて死んだ」としか教えてもらえない。ひょっとして、ムード歌謡グループ「山田修とハローナイツ」に本当の父親が?!
ドラマ自体はそれほど新鮮さはない。コミカルでそれほどリアリティはないけど、日本の田舎のどこかで実際に起きていそうなドラマ。
田舎娘能年玲奈と売れない歌謡グループと田舎町で組み立てられたストーリー。なんだか、舞台作品を見ている感覚。たぶん実際そんな演出。
ラサール石井が酒の席で能年をグループに入れてあげると言ってしまい、能年は真に受ける。オーディションと称して歌わせる。アコギを構えて歌い出す能年がまるで新山詩織だった。能年は歌手活動もしてるので歌が上手い。ギターも上手い。
いちおうお金をもらってプロとして立ってるステージに、アマチュア能年をステージに上げて歌ってしまうのはどうなの?歌詞とかうろ覚えじゃすまされないだろ。
だが、ヒロインが加入して上昇気流。テレビにも出て新曲も出す。こんなグループ今はまったくいない。あるとすれば「藤岡藤巻と大橋のぞみ」。
この映画は60代70代が見ても十分に楽しめるようにつくられた中高年向け映画っぽい。老人でもわかりやすい物語とテンポ。
だが、能年目当てで見ても十分面白い。あまちゃんが面白かったという人には十分に面白いはず。能年玲奈にぴったりな役どころ。
正直、映画らしくはないが、芝居つき歌謡ショーっぽくてむしろテンポが良い。
0 件のコメント:
コメントを投稿