アガサ・クリスティーの「ねじれた家」が2017年に映画化されていたことを知った。見た。
2017年はケネス・ブラナー版「オリエント急行殺人事件」も映画化されているので、クリスティリバイバルムーブメントのようなものがあったのかもしれない。
自分は昨年秋に原作を読んだばかり。なので犯人を知った状態で見る。
クリスティ女史は気に入ってたようだが、ミステリーとしては地味というのが読後の感想。初めての映画化だそうだが、これを面白いものにするのは難しそうだ。
登場人物設定が原作とほぼほぼ忠実。ギリシャ移民一世でロンドンでレストランチェーンで大成功した実業家レオニデス家の当主アリスタイドの不審死を、元外交官探偵ヘイワード(マックス・アイアンズ)が調査。とてもハンサムでスタイルが良い。
当主の孫ソフィアとヘイワードの恋模様のようなものは映画ではなぜか大幅に省略。
映画を見進めていて「おや?」と思ったのが劇中で流れている音楽。どう聴いても1960年前後では?原作は1949年なので、そこは改変したのかもしれない。
ソフィア役の女優はステファニー・マティーニという英国の美人女優だが、まだ日本ではそれほど知られていないようだ。
この映画のキャストで一番名前が知られている人は大叔母イーディス役のグレン・グロース。
お屋敷が日本では考えられないほどの大豪邸でほぼお城。こんなん、家政婦1人ではどうにもならない。
原作ではブービートラップドアだったジョセフィン殺害未遂事件の方法が大幅に変更になっている。
ソフィアの弟のユースティス少年の可愛げのなさは異常w 英国貴族にはたまにこんなブサイク野郎が登場する。この家の人々は大叔母とソフィア以外はみんなひねくれてる。
ラストの展開は原作の方がおしゃれ。クリスティ女史は殺人者の最期は多くを語らない。このラストは視聴者をちょっと戸惑わせる。もうひとひねりありそうに待ち構えるが、何もないのかよ!と。
謎解き要素が少なくミステリー好きにとっては物足りない地味サスペンス。これは見ていて飽きてくる。
今回の映画化はあまり上手くいってなかったように感じた。だがそれは原作にも原因がありそうだ。
だが、クリスティーの時代の英国を舞台にした物語を見ること自体が好きな自分には十分満足できた。
PS. そうこうしてるうちにケネス・ブラナー監督の「ナイル殺人事件」が完成してて今年の秋に公開されるみたいだ。
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