2020年8月26日水曜日

宮崎駿「となりのトトロ」(1988)

原作脚本監督宮崎駿のジブリアニメ代表作「となりのトトロ」(徳間書店/東宝)をついに見る。
これ、数年おきに夏休みに放送される日本のお盆映画の風物詩。自分はおそらく18歳ぐらいのとき以来で見た。8月14日に金ローでやっていたのとタイミングが合ったので見れた。

メガネ父と娘姉妹が田舎のボロ家に引っ越す話。このお父さんが元祖テレワーク?作家かなにかかと思ってたら、考古学の先生?らしい。
一家の荷物が小さなトラック1台分っていいなと思った。そしてヒロインサキがトラックの荷台から降りるシーンが最初の感動。宮崎駿は必ずこういう何気ない動作に小さな驚きを盛る。
都会の子どもにとって田舎で見るのはすべてが新鮮。それにあんな大きな家は憧れ。日本人の誰もがノスタルジーを感じる風景。
自分、この映画を初めて見たときは80年代よりちょっと前ぐらいに思ってた。いろんな古い映画とか見て得た知識だとたぶん昭和30年代?

田舎の古い農家に住んでいるにしても、この家族にはテレビもないし電話もガスもない。
家族総出で田植えしてるシーンがあるのだが、農業機器を使っていない。着物姿で手で苗を植えてる。そして子供たちがランニングシャツに角帽だ。
家の中でどんぐりを見つけたというだけで大発見!みたいに騒ぐ子どもたち。「リスかな?」というお父さんの一言だけでさらにはしゃぐ。昔の子どもたちは無邪気で楽しそう。
父は車掌さんが同乗するボンネットバスで通勤してる。サツキとメイの入院中の母の件で電話のある家に行くのだが、その電話がどう見ても大正昭和にかけての年代物。(自分、こういうガリガリとレバーを回して交換台を呼び出す形式の電話に憧れてる。スマホと連動するそんな電話をつくりたいと思ってる。)

自分は昭和20年代30年代を横溝正史から学んだ。田舎でも年頃の娘たちはパーマあててケバイ化粧をしてて若い男たちは不良がデフォだと思ってた。トトロに出てくる田舎の人々は純朴。
トトロは劇場公開時には惨憺たる興行成績だったらしいのだが、何度もテレビ放送されるうちに宮崎駿のマスターピースの評価を得た。

1988年当時の人々にはこの映画の価値がまだわからなかったのかもしれない。時代が追い付いていなかったのかもしれない。
「夢だけど夢じゃなかった!」こんな楽しい夢のような日々が実際にあればいいのに。はやくコロナ以前の暮らしにもどりたい。

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