2020年6月14日日曜日

ジェイムズ・P・ホーガン「火星の遺跡」(2001)

ジェイムズ・P・ホーガン「火星の遺跡」を読む。2018年になって内田昌之訳が創元SF文庫から出た。
MARTIAN KNIGHTLIFE by James P. Hogan 2001
ジェイムズ・P・ホーガン(1941-2010)のまだ読んだことのなかった2001年の作品が今読めることに多少驚きつつページをめくる。

タイトルに「遺跡」とある。自分はてっきり「星を継ぐもの」のようなファンタジー宇宙考古学的作風かと思ってた。原題にKNIGHTLIFEとあるので「創造主の掟」みたいなものもイメージ。

だが、ぜんぜん違ってた。火星が舞台なのだが、普通にシリコンバレーのベンチャー企業の幹部たちみたいな会議シーンばっかw
人類は太陽系内はほぼ征服。動物実験の末に人間も原子レベルで情報としてテレポートする技術をほぼ確立。あとはビジネス化かと思いきやトラブル発生…という話。

テレポートは人間の複製をあちら側で書き出し実体化する技術。人間は原子レベルで日々入れ替わってるので問題ない。だが、コピー元となったオリジナルは?
このオリジナルが勝手に銀行から大金を引き下ろすなど、あずかり知らない場所で問題を起こしていた。ヤバい。早急に調査して対策をたてないと。金をとり返さないと。

第2部は火星の土建屋VS発掘隊みたいになってダマシあい。まるでナニワ金融道。正直ぜんぜん期待するようなSFらしい展開になってくれない。
自分は後半をさっさと読み飛ばした。これは読まなくていい。今まで読んだホーガンの作品でこれが一番つまらないと断言できる。「火星の遺跡」という邦題は悪質。

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