2020年6月7日日曜日

小松菜奈「さよなら くちびる」(2019)

小松菜奈、門脇麦、成田凌の3人が主演した「さよなら くちびる」(2019 GAGA)という映画あるので見る。原案脚本監督塩田明彦。この監督作をひさしぶりに見る。

小松と門脇はハルレオというギターデュオだったのだが関係も冷え切って移動バスもギスギス して会話ゼロ。解散の噂もある状況でのツアーという場面から始まる。まるでかつてのフリッパーズギターw

おかっぱボブ小松菜奈がタバコ吹かしながらスマホをダルそうに見てる画がすごく心に刺さるw 昼間から酒。こんなギタ女いたら応援するしかないわ。
小松はガソリンスタンドで目が合っただけの男と合流してどこかへ消える。本番までには戻るとだけ言い残す。性悪で素行不良ミュージシャン。

で、これまでを回想する映画。クリーニング工場バイトで不良娘レオ(小松)に「一緒に音楽やらね?」と声をかけたのがハル(門脇)。ハルはレオにギターを教える。
レオ「なんでわたしだったの?」ハル「歌いたそうだったから」
門脇がギターで曲作ってる川原のベンチが「もしや?」と思ったらやっぱり旧岩淵水門のところの中島。自分もあそこで楽器練習したことあったわ。
冒頭の屋外シーンがなぜかどれも風が木々をわさわさ揺らしてる。あえて風の強い日に撮影?

ストリートで歌ってるとやがて成田凌がマネージャーとして合流。
だが場面はこいつの車で各地のライブハウスを回る解散全国ツアーロードムービー。

松本まりかが音楽番組のMC役。この女が痛くて小松がテンションだだ下がりしてるシーンが面白い。小松が不良問題児すぎ。DV男に殴られ顔がボコボコ。
音楽は門脇がつくってる。小松は隣にいるだけの飾りで悩む。そして三角関係で関係が崩壊していく。
説明なく時系列が行ったり来たりで見てて混乱。視聴者は小松のヘアスタイルで判断。

地方で中古レコード店をめぐってる小松菜奈と成田のシーンとかまさに理想のデート。
コインランドリーで洗濯とかメジャーでないバンドのツアーの日々ってこんな感じか。いろいろとリアル。
全国ツアーでありながら宿泊してるシーンがまったくない。まさか車中泊じゃないよね?

函館ラストライブのファンとか、自分も見に覚えのある痛い青春の一場面。
インディーズバンドや売り出し中のギタ女を追いかけたことがある人なら誰もがどこかで見た風景だらけ。

3人が出発点にまた戻って別れていくシーンが切ない。何もかもがずっと切ない…って思って見てたら、思わず笑顔になれる素晴らしいラスト。

楽しいと思ってることを止めるって決める必要はない。そういう映画。イタくてなにが悪い!バカでなにが悪い!
ここ数年見た音楽青春映画で一番好き。邦画にありがちな説明セリフシーンや余計な演出がなくて潔くて清々しい。
主題歌「さよならくちびる」は秦基博、挿入歌「誰にだって訳がある」「たちまち嵐」はあいみょんが楽曲提供。

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