スティーブン・キングの原作を1986年にコロンビアピクチャーズがロブ・ライナー監督で映画化した「スタンド・バイ・ミー」を初めて見た。有名な映画だけど今までちゃんと見たことなかった。
ベン・E・キング「スタンド・バイ・ミー」もこの映画以降、日本でもリバイバルヒット。かなり聴かれた。
ざっくりこの映画を説明すると、アメリカの戦後ブーマー世代(団塊の世代)が50年代を懐かしむ映画。
日本人にはなかなか理解できない表現が多い。字幕よりもたぶん実際はかなり汚い表現を使ってる。
中年作家が少年時代の友人の訃報を新聞で見て、車の車窓から外を眺めながら回想する。
1959年の夏、オレゴン州の人口1000人ちょっとの小さな街キャッスルロックで暮らす12歳の少年たち4人が、行方不明になった少年の死体を探しに、線路を歩いて旅に出る…という話。
少しデブなバーンが軒下で埋めたまま所在不明になったヘソクリを掘り返していると、不良の兄たちが「死体」について話しているのを聴く。秘密基地の仲間たちに話す。死体を発見すればヒーローになれる!と信じる。
12歳の少年たちが秘密基地でタバコすぱすぱ吸ってる。父親の机の引き出しから拳銃持ち出すとか、アメリカならでは。
「父はノルマンディーの英雄」だとか、「弟は朝鮮戦争で死んだ」とかいう会話は50年代らしい。この時代の子供たちの話題と遊びも戦争。
さらに上の世代の不良が極悪。アメリカの不良がハンパない。住宅街の郵便受けをバットで破壊しながら車を走らせる。不良のリーダーがどこかで見たことある気がする…。調べてみたら「24」のジャック・バウアーことキーファー・サザーランドだ!
こんなやつらが終戦直後の日本を占領し牛耳った。そりゃ当時の日本人は酷い目に遭ったわけだ。ヤンキーが嫌いになって当然。
この映画、川にかかった鉄橋を歩いて渡ってるところに蒸気機関車がやってくるシーンは見覚えていた。線路を歩いて旅する光景は日本人にとっても懐かしい郷愁。
小学生男子たちの脱線話が酷い。パイ大食い大会でのデブがゲロを吐くエピソードが酷い。まったく笑えない。
森の中の川を渡るシーンで「全身に蛭が!」というシーンが恐怖。「ち●こにでっかいヒルが!」というシーンは身の毛がよだつw
少年たちは将来についても話す。家庭環境が悪いクリス(故リヴァー・フェニックス 享年23歳)は不良であっても正義感が強い。大人しく弱気なゴーディをものを書く才能があると褒め励ます。
旅から帰った後の4人がどうなったか?それぞれが疎遠になっていく。子どもの頃の交友なんてそんなもの。しんみり。
勉強して大学を出て弁護士になったクリスはケンカの仲裁に入ってナイフで首を切られ死亡。切ない。
あの時代が懐かしく恋しく寂しい。とワープロで書き終わった作家は子どもたちと車で出かける…というラスト。
もう、今の子どもたちは家の裏山であっても探検に出かけたりはしない。線路を歩いたりしない。この映画は大人たちの、あの時代のノスタルジア。
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