2020年5月7日木曜日

アーサー・C・クラーク「イルカの島」(1963)

アーサー・C・クラーク「イルカの島」を読む。小野田和子訳1994年創元SF文庫で読む。
DOLPHIN ISLAND by Arthur C. Clarke 1963
ジョニー少年は深夜、大陸横断高速道を走る貨物船ホヴァーシップのエアジェット音で目を覚ます。家をそっと抜け出し見に行く。
停車中(一時的な故障?)の船に潜りこむ。孤児のジョニーは叔母や従弟たちとうまくいってない。このまま家出してしまおう。

するとそのまま太平洋を航行。だが、突然爆発して沈没。密航者だけど救命艇に乗せてもらおうとしたけど、自分の存在に気付かず遠くへ行ってしまった…。
瓦礫に乗っかって浮遊してるとイルカの群れがやってきて自分をどこかへ運んでくれる。陸だ!そこはイルカ語を研究する科学者と漁師の住む「イルカ島」だった。

学者先生がたにジョニーが家出少年なのはお見通し。でも、イルカが運んできたことは注目。ジョニーはそのまま島に住む。ミックという親友もできる。美しいサンゴ礁に潜って日々を過ごす。

これ、読んでいてすごくジュヴナイル感がする。たぶんそう。自分も童心に帰ってページをめくった。
グレートバリアリーフの海とイルカたちの群れの映像が眼に浮かぶ。こんなふうにイルカやシャチと自由に意思疎通できたらいいなという海洋SF作品。

サイクロンにる被害でオーストラリア本土と連絡が取れなくなり、重いケガの博士を救助をするために、ジョニーはイチかバチかの思い切った方法を選ぶ。この展開はアニメ映画とかでよくみるようなクライマックス展開。

これ、A.C.クラークの代表作だとはみなされていないようだが、自分には十分に面白かったし楽しかった。
たぶんきっとどこかで映画やアニメになっていそうな物語なのだがなってない?実写化しようと思ったらなかなか大変。

ちなみに、巻末解説によれば「イルカの島」の本邦初訳は高橋泰邦訳1976年角川文庫。この1994年小野田和子訳創元SF文庫は新訳とのこと。

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