2020年2月10日月曜日

地中海殺人事件(1982)

ピーター・ユスティノフがポアロを演じた「地中海殺人事件」(1982)をずっと見たいと思っていた。やっと見た。監督はガイ・ハミルトン。

アガサ・クリスティー「白昼の悪魔」を映画化した作品。わりと最近になって原作も読んだので記憶も新しい。映画は一部キャラ変も見られる。ユーモア会話シーンも盛ってる。舞台を英国のリゾート島から地中海(映画のロケ地はマヨルカ島らしい)に移設。

小説を読んでいると登場人物たちがどんな衣装を着ているのかがまったくわからない。映画だと登場人物たちのオシャレさがわかる。
それにしてもユスティノフポアロがでかいw 原作のポアロは出会った英国人がププッと笑ってしまうような妙ちくりんな小男紳士なのだが。

殺される浮気女優が思っていたよりもババアw 別にそんなにキレイじゃない。若い夫がたぶらかされることに納得いかない。
少女リンダは適度にブスで可愛げなくてわりとイメージに近い。

自分はこの映画でジェーン・バーキンを知った。エルメスのバッグに名を残した女優。1978年のパラマウント映画「ナイル殺人事件」では殺される小間使い女中だった人だ。
映画の冒頭で示されるキャラと映画宣伝ポスターのキャラの違いはこの映画のネタバレ要因になってしまっている気がする。
俺のまさみもいつかこんな役をやってほしい。

この映画を自分は中学生のとき1回見たことがある。たった1回しか見ていないというのに、今回見返してみて印象深いシーンのいくつかを覚えていた。

ポアロが海水浴をやってみようと試みるシーン。これがまったく原作のポアロ像からかけはなれてる。まるでラグビーの応援に来たオヤジ。
ホテルのオーナーが動物の死体を見つけるシーン、夫婦喧嘩のシーン、ラストでジェーン・バーキンが階段を降りてくるシーン、ポアロが一同を集めて真相を披露するシーンで「え、証拠ないの?!」ってなるシーンも覚えていた。
あと、南欧州の年寄りがやってるペタンクという競技を自分が初めて知ったのもこの映画だった気がする。

死体発見と犯行時刻とアリバイのトリックはとても古典的。映像でなぞるように念を押してくれると理解が進むw パズルのピースがぴたっと合うのは爽快。

古典ミステリー映画はこれぐらいのシンプルさがちょうどいい。オリエント急行やナイル川に比べるとこぢんまりした事件だが、これで十分にワクワクできる。これがクリスティースタンダード。まだクリスティーを読んだことがない人にも最初に見る映画としてオススメ。

南仏の明るい太陽と海の映像が美しい。こどものころブラウン管テレビで見た記憶よりはるかに美しい。
コール・ポーターの音楽を聴くと昔のヨーロッパ映画を見ている気分になれる。

0 件のコメント:

コメントを投稿