2020年2月27日木曜日

ディクスン・カー「盲目の理髪師」(1934)

ジョン・ディクスン・カー「盲目の理髪師」(1934)を2018年三角和代新訳の創元推理文庫で読む。
もうすでに自分はカー作品は一部の有名作品以外はそれほど面白いということもないことを知っているのだが、新訳が出るのなら面白いのかも…と期待して読む。
THE BLIND BARBER by John Dickson Carr 1934
アメリカから英国へ大西洋を渡る豪華客船クイーン・ヴィクトリア号で起こった2つの盗難事件が作家によってフェル博士に語られる場面から始まる。もうこの時点でぜんぜん頭に入ってこないわかりずらさw

スキャンダルになりそうな政治家の醜態が収められた映画フィルム、貴族所有のエメラルドの盗難。頭部に大怪我をした婦人の失踪と血痕。
外交官、推理作家、船長、キャプテン、人形劇興行主の姪がくりひろげるドタバタ喜劇。これが読んでてひたすら困惑。何が起こっているのか登場人物も読者もわからない。

フェル博士第4作長編だそうだが、ドタバタ喜劇ファルス性を第一に志向した作品らしい。
自分と趣味がまったく合わなくて途中で投げ出そうと思ったのだが我慢して最後まで読んだ。最後の最後まで休みなくずーっとドタバタで呆れる。しかも、面白くないw 日本人には馴染みのない要素ばかり。

このドタバタを事実としてフェル博士に口で説明できるとしたら、そいつはすごい。てか、無理だろって思うのだが、フェル博士はだいたい分かってる様子。
いちおう意外な真相は用意されているのだが、だから何?って感じ。最後まで読んでも何も救われない。

調べてみたら、多くの読者がこれを受け付けないらしい。自分も低評価は仕方がないと感じた。たとえ暇でも「読むなよ!」と言いたい。ディクスン・カーのすべてを読むという荒行に挑むもの好きにしか薦められない。

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