2020年1月12日日曜日

芳根京子「チャンネルはそのまま!」(2019)

北海道HTB製作の連続ドラマ「チャンネルはそのまま!」(2019年3月に放送)が2020年になって1月5日から全国放送されたので見る。このドラマはかなり評判が良いらしい。

総監督に本広克行の名前がある。このテーマと舞台をどう撮れば面白いものができるのか?この人の長年の経験知識が活かされてるに違いない。

札幌のテレビ局が舞台。ユニークな新人が組織を変える。そういうテーマ。ヒロインはなぜかバカ枠(人を馬鹿にした酷い話だ)で採用された報道部1年目新人。
このヒロインが真面目で固い報道部の連中たちからバカにされている。だが本人は何ら気づいていない様子。自分の見たところ、ぜんぜんバカじゃない。ちょっとおっちょこちょいかもしれないが、周囲にそれほどの大迷惑はかけていない。むしろ周囲を巻き込んで協力して結果いいものを作ってる。それは理想。
原作は北海道在住の佐々木倫子による「チャンネルはそのまま!」(小学館)。調べてみたらこのマンガはスピリッツ誌に2008年から2013年まで連載されたもの。2018年になってドラマ化が企画されるとか遅かった気がする。

ところどころ画的に佐々木倫子らしさを感じた。ボケでありながら真面目で真剣な表情のヒロインとか佐々木倫子らしい。吹き出しセリフとは別に心の声やツッコミがこのフォントで出るのも佐々木倫子マンガに慣れ親しんだ人は笑える。
第1話は採用試験の様子が出てくる。おそらく終活や採用試験を描いた映画やドラマは誰も見たくないだろうと思ってる。この辺は2倍速再生や15秒スキップなどを利用するw
ただ、新人女子アナが初めて実際にニュース原稿を読むシーンの綱渡りぶりは面白かった。
この新人女子アナがとてつもなく有能。ギリギリで間に合ったラフな手直ししか入ってない雪丸原稿(芳根)の難読地名人名、判読しがたい箇所、時間の尺、周囲の様子のすべてを把握し、ぴったり適切に乗り切った。(女子アナのすべてがこれをできるとは思えない。)
ヒロインは報道部デスクからぎゃんぎゃん叱られる。だが、見ていてそんなにつらくならない。こういうのは「ナースのお仕事」以来のドラマの伝統。

大泉洋、安田顕、音尾琢真といった北海道な面々が出てきて面白い。報道部の優秀な1年目新人飯島寛騎も北海道俳優のようだ。こいつが大泉に取材を申し込むとき「水曜日はどうでしょう?」という台詞があったことに多くの人々が反応してた。
このドラマの芳根京子は輝いていると思う。芳根が各場面で見せる表情が面白い。佐々木倫子作品のドラマ化として適切な配役。
自分、「べっぴんさん」を見ていなかった。この「チャンネルはそのまま!」の内容だったら朝ドラもきっと見ていた。

だが、第3話以降は嫌な人たち嫌なエピソードも出てきて見ていてすべて楽しいわけでもない。むしろ気分が落ち込む。

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