2019年7月11日木曜日

シャルル・ミュンシュ「指揮者という仕事」(1954)

シャルル・ミュンシュ「指揮者という仕事」の2008年新装版があるので読んでみた。
春秋社から福田達夫訳で1994年に出たものが本邦初出?
Charles Munch, Je suis chef d'ochestre 1954
実は自分は以前、かなりクラシック音楽に関する本を読んでいたのだが、その後まったく読まなくなった。得た知識をどこでも活かすことができないからw やがてCDも聴かなくなった。もう世界的にクラシック音楽を熱心に聴いてる人はおじさん以外にあまりいないw

「30年以上ものあいだ、私はこの小さな本を書くことを夢みてきた。」という書き出しで始まる。
邦題だと指揮者を目指す人に向けて書かれた専門書のように思えるかもしれないが、原書タイトルだと「私はオーケストラ指揮者」。わりと世間一般に向けて指揮者って何をしているの?というような疑問に答える一冊かもしれない。

1891年、当時ドイツ領だったシュトラスブルク(現ストラスブール)に生まれたミュンシュは、音楽院教授でオルガン奏者の父が創設したサン・ギョーム合唱団でバッハを歌い、ヴァイオリンを学ぶ少年時代を過ごす。
第一次大戦ではドイツ軍で軍務につく。当初は医学部に籍を置くもフルトヴェングラー時代のライプチヒ・ゲヴァントハウスで第1ヴァイオリンでコンサートマスター。

戦後はアメリカに渡ってボストン交響楽団を黄金時代に導く。小澤征爾の師でもある。
晩年はパリ管弦楽団設立に関わる。1968年77歳で死去。
というのが自分の知ってたミュンシュ像。この本の解説でミュンシュは完全なコンサート指揮者でオペラは振ったことがないことを知った。

指揮者のこころがまえのようなものも書かれてるし、聴衆に向けて語りかけるようでもある。自身の半生も語られる。
「指揮者とは職業でなく病」というような、引用したくなるような名言だらけ。

巻末には訳者の「指揮者とは何か」という章がある。指揮者が登場した歴史的経緯などの解説文になっている。

自分はこれまであまりミュンシュを聴いてなかった。この本を読んだ後に、ボストンSO.との演奏をいろいろと聴いてみた。中でもブラームスの第4番には感銘を受けた。

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