太宰治「ろまん燈籠」を読む。新潮文庫版で読む。角川文庫と迷ったのだが、すでに読んだものが多いので新潮を選んだ。新潮文庫版は全16篇を収録。
ろまん燈籠(昭和15年から16年にかけて婦人画報に連載)
この時期の太宰は明るくPOPな作風。作家のつきあいのあった家族が書いた連作ファンタジー小説(ラプンツェル)というてい。4人兄弟姉妹のバラバラ個性を対比させるような、小説の体を成していない小説。またまた太宰のヘンテコ小説を読んでしまって困惑。太宰、フリースタイルすぎ。
みみずく通信(昭和16年)新潟高校へ講演会に行ったときの話。生徒「太宰さんをもっと変わった人かと思っていました。案外、常識家ですね。」w
服装に就いて(昭和16年)着物ばかり着ていた太宰
令嬢アユ(昭和16年)佐野くんと伊豆でフライフィッシング
誰(昭和16年)或る学生から悪魔と呼ばれ気にする太宰。昔センパイに送った借金申し込みの手紙が酷いw オチもシュールでよい。
恥(昭和17年)ヘンな小説ばかり書いていた太宰は読者からもたくさんヘンな手紙をもらったんだろうなとw
新郎 とくに感想はない
十二月八日 日米開戦の日、主婦目線の生活
ここまで読んできて、「ろまん燈籠」以下、すべて太宰の日々の交友やらダメ人生活やらを書き綴ったエッセイであることにようやく気付いた。これはもうすべてについて感想を書くのは無理だと悟ったw
残りの「小さいアルバム」から「東京だより」まで、すべて東京三鷹での戦時下の暮らし、北京に渡った友人の結婚、創作ノート、友人の戦死、雑文などなど。
感想を求められても何も答えられないが、太宰治という人を知るためにはそれなりに重要かと思われる。
ああ、この文章を書いた人は戦後すぐに自殺するんだなあと思うと、自分は暗い気分になってやりきれなくなった。
「ろまん燈籠」以外は子どもや若者にまったくオススメできない。
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