2019年5月6日月曜日

横溝正史「吸血蛾」(昭和30年)

横溝正史「吸血蛾」を読む。1997年春陽文庫版で読む。これは昭和30年「講談倶楽部」1月~12月に連載されたもの。

これも角川文庫版のほうが手に入りやすいのだが、自分は「吸血蛾」表紙イラストのおっ〇い女がブサイクで嫌w 春陽文庫も趣味は良くもないがまだマシ。

耳まで割けた口に狼の牙を持ち帽子とマフラー、メガネの上にさらに黒メガネという謎の怪人が、ファッションデザイナー浅茅文代女子の周辺に出没!

やがて専属モデルが胸をえぐり取られた死体となって木箱に入れられアトリエに送り届けられる。しかも傷口には血に染まった蛾!

新聞記者川野とモデル杉野弓子は、ファッションショー会場に出現する謎の人物の自宅である武蔵境の昆虫館の主を訪ねると、血まみれの浴室でモデル仲間の両足を切断された死体を発見!

その脚はアドバルーンから吊り下げられ東京の空を飛ぶ!さらにもう片方の脚は浅草のスリップ小屋で不気味に踊る!

という派手でエグい猟奇事件が次々と起こって真ん中あたりで金田一耕助が登場。

浅茅女史の乳房には以前から狼が噛みちぎろうとしたような跡が!フランスに洋行したとき知り合った男が狼男!という話をして金田一さんと等々力警部が困惑!w

ファッションショーを初めて見る金田一さん。またしてもステージで凄惨な殺人が!

どうやらこれは江戸川乱歩作品の亜流?それともオマージュ?というような作風。まるでオトナの読む少年探偵団シリーズのような内容。いろんなことが起こるけど、読んでも読んでもグダグダと冗長な会話。

これぞ大衆娯楽小説という内容。だが、自分としてはこういうの、つまらん!今まで読んだ横溝正史で一番つまらない。ジュブナイル金田一なみに内容がない怪奇ホラー。
横溝は昭和51年になって「犬神家の一族」が大ヒットするまで忘れ去られた作家になってしまうわけだが、この作品を読むとそれも納得。

女史の内弟子に村越徹という女のような男(美輪明宏みたいな?)が登場するのだが、「変性男子」と書かれていた。そんな言葉があったのか?

0 件のコメント:

コメントを投稿